高齢化するアイドル王国ジャニーズ”中年ジュニア”の出処進退|平本淳也のジャニーズ社会学 (1/3ページ)

デイリーニュースオンライン

Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 学生の夏休みも後半になってきたが、芸能界では特番やイベントなどこの期間はサービス業ならではの繁忙期である。全国を回るコンサートツアーなら打ってつけの期間が夏休みで、ジュニアだった当時を思えばレッスンから振付、そしてステージの本番があり、他のイベントやテレビにも出たりと中高生時代の夏休みはジャニーズ一色だったと懐かしいが、少し前、あるジュニアの親から「うちの子60万円も稼いで来たのよ」と驚いた表情で話していたが、それを聞いた僕はもっと驚いた。

 ジュニアでそんなにもらえるの? マジで!? 昔と違って報酬にケチらず単価も上がっていることからジャニーズの環境が良くなっていることは知っていたが、下っ端のジュニアでもそんなに稼げていることは驚きだった。詳細はともかく1ステージ数万円×回数だったり、ミュージカルや舞台だったら期間報酬もあるし数字的には納得できるが、その払いっぷりが昔と比べて歴然と違う。

 ジュニアならギャラなんかもらえなくても仕事は有難く従事するし、アゴアシ(食事と交通費)が出るだけでも感謝の気持ちだったが、父親より稼ぐ”名もなきジュニア”が多く存在しているのは今に始まったことでないにせよ、しかし60万円というのは中学生が稼ぐ金額ではない。

 ジュニアと言っても今は年齢幅が広い。小学生から”中年”まで音源デビューしていないジャニーズのタレントたちの総称が「ジュニア」と呼ばれるが、それだけで食べていけるほど甘くはないのが芸能界だ。天下のジャニーズといえども、ジュニアのみんなに安定的な仕事を継続して与えることは難しい。中には突出して数十万円を短期間で稼げる子もいるが、一方では「もう辞めようと」思いつつ悩んで生きている子もたくさんいる。

 僕はそんな相談には「いられるだけいろ」とジャニーズに留まるよう応援するが、20代ならまだしも30代、40代でジュニアもいるこの時代、それ以前に「食えない」と思い悩み、なにより将来が不安で仕方ないというジュニアが大半だ。30代にもなってバイトしながらアイドルを続けるのは辛い。しかもジャニーズ所属で名も知られていると、バイトをはながらアイドル活動というのも難しい。アイドルを名乗るのも恥ずかしい。

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