ザコにも魅力がある?『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』舞台上演・記念インタビュー (3/5ページ)

デイリーニュースオンライン

──今回の舞台に至る流れを知りたいのですが、ザコはいつ頃から注目され始めたのでしょうか? 私の知るところではゲーム『北斗無双』(2010)でDLCプレイアブルキャラクターとして「無法者」(ザコのこと)が採用され、朝日新聞の全面見開き広告(2013)でザコが大々的にフィーチャーされました。

注釈:ザコで埋め尽くされた見開き広告。「エラそうに新聞なんて読みやがって!!!」という理不尽な言い掛かりがいかにもザコらしい。

──そして、アプリ使用者がザコになりきれる写真アプリ『北斗のブース』が2014年に登場。私の記憶によれば、『北斗無双』の少し前からザコが話題に登り始めていた気がするので、ここ10年ほどでザコは大きく育ってきた感じでしょうか?

ザコP「原作の話になりますが、元々、ザコ自体、原哲夫先生がかなり力を入れて描いてきた存在ではあるんです。原作や担当編集の制約から離れて、原先生が最も自由に演出を加えられる存在、それがザコだったんです。僕も弊社で仕事していく中で、それに気付き、ザコという存在がだんだん面白く思えてきたんです」

──なるほど、源流からしてザコは作者のパワーが込められた存在である、と。

ザコP「それで10年ほど前から、ザコをフィーチャーした『俺たち拳王親衛隊』などのショート作品が漫画雑誌に掲載されてきました。また、三十周年記念の時には、日本橋ストリートフェスタでザコたちが黒王号を引いて練り歩くというパフォーマンスを行いました。この時はどうしてもケンシロウを入れたいと言われて、ケンシロウと黒王号が並んで引かれる形となったのですが、僕は本当はザコだけで練り歩きをやりたかったんです」

注釈:使用された黒王号。なお、ザコを担当していたのはプロレスラーたちとのこと。

ザコP「去年は自撮りジェネレーターアプリ『北斗の宴』がサントリービールから配信されました。北斗のキャラっぽい悪党面になれるアプリなんですが、これも実質ザコアプリですね。トヨタのC-HRのCMでもザコがたくさん登場しています」

ザコP「後は弊社から先月出版された『世紀末ザコ伝説』。ザコを集めたデータブックです。そういうのが色々あるにはあったんですが、原哲夫先生は『ここ一年でザコを描く依頼が急に増えた』と仰っていた気がします」

──なるほど。いま時代が急速にザコを求め始めてきた、ということですね。分かります。しかしそれでも、ザコだけで舞台を開催するというのは、かなり困難な道程だったのではないでしょうか? 常識的に考えて、普通、社内会議を通らないような……。

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