【プロ野球】今季、神宮球場でもっとも声援を受けたの大松尚逸……ではなく広島のあの選手!? (1/2ページ)
10月3日、ヤクルトは11人の戦力外通告者を発表した。そのなかには今浪隆博、飯原誉士といった中堅どころも含まれており、あらためて勝負の世界における厳しさを知ったファンも多いだろう。今浪は「甲状腺機能低下症 橋本病」により現役を引退。飯原は他球団でのプレーを目指し現役を続行する見込みだ。
戦力外を告げられた日に行われたヤクルトの今季最終戦では、2人の出囃子が鳴り響くとライトスタンドからはひときわ大きな声援が送られた。それは、今や日本球界のトップ選手となった山田哲人への「やまーだてつと」コールに勝るとも劣らない声量だった。
昨シーズンの今浪と飯原は主に代打として起用されたが、今季の出場機会はほとんど与えられなかった。一方の山田も極度の不振。代打での一打や主砲の一発を期待する声援もどこか湿りがちだった。それでは今季、神宮球場で多くの声援を受けたのは誰だったのだろうか。
そんな疑問を解決すべく、神宮球場でのヤクルト戦全試合を観戦した筆者が独断と偏見で選ばせてもらった。もちろん、ロッテ戦試合終了後のパフォーマンスのように声量の音圧を測っているわけではないので、あくまで体感であることをお断りしておく。
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■盛り上がるのは「代打・大松」
球場観戦における醍醐味の1つであるライブ感。これをより感じられるのは、僅差の終盤で代打の切り札が登場するシーンだろう。代打ならどの場面でも盛り上がるかというと、そういうわけではない。序盤で先発投手が崩れ3回、4回に代打が送られたときの盛り上がりはないに等しい。やはり「終盤の僅差」が盛り上がるための条件なのである。
近年の例を挙げると、高橋由伸(現巨人監督)、金本知憲(現阪神監督)らがネクストバッターズサークルに現れた段階で球場はザワザワし始めたものだった。前打者の打席が終わると出囃子が鳴り響き、代打のコールがされると盛り上がりは最高潮。球場全体の視線を釘づけにする。もちろん、出囃子は本拠地でしか流れないが、敵地でも同じような盛り上がりを見せるのは、彼らが偉大な打者だったからだろう。
今シーズン、ヤクルトにこのような打者は不在。レジェンド級の盛り上がりを見せることはなかった。しかし、ひときわ大きな声援を送られたのが大松尚逸だ。
今シーズンからチームに加わった左の切り札は、開幕1軍をつかむと一度も登録抹消されることなくシーズンを全う。2本のサヨナラ本塁打を放つなど打率.162(130打数21安打)ながらもファンに愛された。
試合終盤の「一発が出れば同点、もしくは逆転」という場面で大松の出囃子であるAviciiの「The Nights」が流れると、その日一番の声援が飛ぶ。ただ、打率からわかるようにほぼ凡退だ。しかし、2本のサヨナラ本塁打でファンの心をつかんだ大松には常に大きな声援が送られるのだ。