本当にあったジャニーズの怖い話?タレントとファンの謎めいた関係|平本淳也のジャニーズ社会学

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 国民の10人に一人がジャニーズファンという実態数字があり、それを何年も継続させてきたブランドは数十年もの間、多くのファンを楽しませ続けてきた証である。ジャニーズ事務所がスーパーエンターテイナー集団であることは今さら言う事でもないが、そんな彼らのコンサートにはお婆ちゃんから孫まで三世代が訪れる光景も定着している一方で会場には男性の姿もよく見られる。

 若い当時は恥ずかしくして行けなかったが、大人になった今なら落ち着いて見に来れるという感覚らしい。あらゆるタレントやグループが数十年間という長い時間をもって創り上げてきた魅力は老若男女を問わず、非常に広い範囲で高く評価されてる。やはりファンは有難いし素晴らしい。

 新SMAP「新しい地図」もしかり、ジャニーズを去った人が必ずやることか「ファンクラブ」であり、それを資金源として活動していくというパターンはまさに定番化しているが、このファンの有難さはとても重要だ。その力がなければ存在できないのがタレントである。特にアイドルなら絶対だ。

 言うまでもないことだが、どれだけのファンをつけては引き止められるか。そしてまた新たなファンを獲得するための行動も継続してできるか。ファンも気持ちが一方通行なままだとツマラナイと離れてしまうケースも多い。何年も連れ添った夫婦でも熟年離婚という結末を迎える昨今に珍しさも感じないが、心変わりが生じれば引き際も素早いのが人間である。

 単純に期待を裏切るとか、好みではなくなったとか、その程度のことが発端になるが、タレント側にしても期待に応えるべき対応というものがあり、それが相当なる「活動」という例になる。ドラマや映画での「キスシーン」や「ベッドシーン」ひとつでさえファン層は変わるし、それ以前に「役どころ」においても大きく左右する。木村のワンパターンな演技や職業シリーズにも世間は飽きているのも同様で、次の期待を映画で担おうとしている。

 私生活での行動も影響は大きい。木村は今になってまた「(静香との)結婚が許せない」と思い返されたり、「本当に裏切ったのはあの時だ」としてファン離れにも歯止めが利かないようだが、逆に木村にとってはアイドル色から離れて俳優道に邁進できる良いキッカケともなっている。新しいファンの獲得も期待できると言えよう。

 新しい地図には新しいファンも多く付くだろう。ネット配信という手段から食いついてくる今までにないタイプの新しいファン層開拓の期待もあるだろうが、これまで応援してきてくれたファン離れの方がそのうち上回るでしょう。ジャニーズファンの期待に添えられない元ジャニーズの行先はそんなものだ。

 ファンは期待だけで応援してくれる。そういう意味では今、選挙戦で賑わっている政治家と同じようなものだが、政治家より遥かに早い段階で「実績」が求められる。政治家のマニフェストは選挙用のうたい文句だが、タレントたちは記憶にありませんでは済まない。ファンの期待ほどの圧力はそうそうない。

 ただ、白馬の王子様「ジャニーズ」はビジュアル面でも勝負できるので、一目ぼれファンもよく目立つが、タレント側もなにもしないでイイ気になっているわけではない。ホストとまではいかないが、それなりのサービス精神が自分のためにも必要という場面が多々ある。

 ジャニーズでは、ツーショットなど写真が禁止されているので、その対応が出来ないのが残念ではあるが、ファンレターなど貰ったもに対しては割とよく対応している面もある。特にジュニアになりたての頃や、逆に長くいて人気がヤバそうなときなどファンサービスも盛んになったりする。ただ、そのサービスにこそ危険も伴う。

 ファンとタレントを繋ぐ手段として長い歴史を持つのがその「ファンレター」だ。インターネットが発達した現在でも主流と言って良いだろう。ジャニーズ事務所のファンクラブ「ジャニーズファミリークラブ」には、毎日数百もの郵便が届く。主には封書で中身はもちろんお手紙だが、中には凄いモノが入っている。

 最も多いのは「返信用の切手」だ。丁寧な子は、返信が欲しい余りに返信用のレターセットに切手を張り、自分の住所をしっかり記して同封している。実に健気であり微笑ましいが、この「切手」、実は金券扱いにもなる重要なものだ。ジャニーズ全体で言えば、80円~90円ほどの切手が無数に集まるわけで、それだけでも数百万円の取り扱いだ。

 昔からよくあった「検閲」は最近も適度な範囲で行っているらしいが、クラブに届く手紙やプレゼントなどの荷物はほとんど本人に渡る。本人宛だから当然ではあるが、芸能人ともなると中には「危険物」もよく紛れているので、ある程度のチェックは必要だ。見るからに怪しい封書、あたかも「何か入ってます」的な色気のない段ボール箱などは怪しい。

 例えば、封筒ひとつとっても「らしさ」というのがあり、それはとてもメルヘンチックなものである。そういう当たり前な感じはセーフだが、ファンらしさのない素っ気なさや簡素な字体は注意が注がれる。また見た目があまりにも汚いとか変な臭いを出している、あるいはベタベタで気持ち悪いなど怪しさを超えたものも存在する。

 逆に高価すぎるものも多い。ブランド物の服やアクセサリー、あるいは現金という直球もある。嬉しい反面、多くが困って事務所に報告するケースもあるが、ちゃっかり受け取ってるやつもこれまた多い。まぁもらえるものはもらうのが芸能人だからね。

 もらえるものでも遠慮したいのは食べ物だ。送られてきた「食べ物は食べない」のが基本的な考えだ。特に手作りは最も危険なので間違っても口にしないのがルールである。これはジャニーズに限らず一般的な考えだろう。

 知らない人からもらったものを口にしないのが普通だと思うし、相当の勇気が必要でもある。実例で言うと「おにぎりの具に、よく噛んだガム」が入っていたとか、そのおにぎりでさえ、唾液で握ったとかよく聞いた話だ。ここには手を洗うという当然のルールなんて存在しない。

 愛するがゆえ、行き過ぎた表現がそのような形になってしまうのだろうが、手作りにはその作った「過程」も想像を絶するものとしてタレントに危険な印象を及ぼしている。特にバレンタインデーのチョコレートは大変だ。

 ジャニーズには毎年「トラック何台分」という例えで毎年ニュースにもなるが、これらのほとんどは希望される施設に寄付というカタチで処理される。しかし直接手渡しされると持って帰らないわけにはいかず、家までご同行だが、そういった場合は中身を確認して割と食べる奴も多い。それでも結構な怖さがある。ファンとは言え知らない人だし、もらいものに慣れているアイドルだからこそ気を付けないとならない。

 昔、テレビ居に届いた安達祐実ちゃん宛ての荷物に爆弾が仕掛けてあって、局内で爆発した事件が発生したが、最近はそこまでの事件はないものの表沙汰になっていないだけで、危険な局面に遭遇する芸能人は少なくないのだ。ファンなのか恨んでいるのか敵か味方か何なのかわからないが、芸能人は何だかのターゲットにされやすい。

 封書系では、釘やカミソリといった刃物が怖い。封筒を開けようとすると指を切れるように設計された仕組みでよく計算されているが、殺意までなくても「傷を負わせよう」という企みは立派に感じられる。

 一方、面白かったのは「コショウ」だ。封筒を開けるとコショウが散らばる仕組みなのか、みんながクシャミをする場面が楽しい。どんな意図があって送りつけたのかは不明だが、とても好意とは思えないものの、ネタとしては随分と笑えた。

 最も恐ろしいファンは、ストーカーと化した犯罪者である。周囲をウロついたり郵便物を盗んだりというレベルは甘く、時には家に忍び込んだり部屋を物色してお宝をゲットして持ち帰ったりと、そういった事件はよくある。もちろんジャニーズに限らないことだが、やはりアイドル系には多い。

 部屋に入ったら知らない人がいたとか、クローゼットやベッドの下に何時間も隠れていたとか、帰ったら夕食の支度がしてあったとか、洗濯や掃除もしてあったとか怖すぎるでしょう。そういえば、ジャニーさんも変な人に付いてこられて部屋に籠城されたというニュースもあったが、ジャニーさん級の有名人だとターゲットにされるのも必然なのだろう。

 また凄い行動力を見せているストーカーは、タレントの実家に行き、親や兄弟と仲良くなって寝食を共にするレベルが発生することもある。ファンなら好きな人の生家を訪れて記念写真の一枚でもと思うだろうが、そこにいる親に挨拶しては上がり込んで団らんしている……。まあ、犯罪とは違うので本人たちが良いなら良いが……。

 大事に至らなければ良いのだが、付きまとっているとその人の私生活も知ることができることで、お目当てのタレントに彼女や彼氏がいたとなるともう大変だ。そのショックの行先はもちろん本来なら無関係の彼女や彼氏さんに向けられる。ファンからストーカーになって、そのストーキング・ターゲットがいつの間にか変わり、目的も失ってしまう様子もよく聞かれる。

 加えて盗聴や盗撮も進化している。機材が安くて容易に買えるからその界隈の犯罪も増えていると相談も多い。ファンは大事で頼らなければならない存在ではあるが、だからといっても期待の100%には応えられないし、好きでいてもらいたいけどプライベートとは別だし、あくまでもタレントとファンという距離感が非常に大切ということをジャニーさんは言う。

「ユー、ファンの子たちと仲良くしすぎちゃダメだよ」という言葉で気が付いたのは、付かず離れずの距離感を保てというメッセージと受け取った14才の頃。最初は浮かれて飛び出てジャジャジャジャーンってな感じでモテキを幸せに堪能するものだが、慣れてくると当たり前の感覚に陥って「オレ様」になってしまうものが多い。キャラがそれなら良いが、誰にでも優しい王子様たちは誰のものでもなくジャニーさんのものだから(笑い)。

 それに行き過ぎると、ファンと付き合ったり、Hしたり、妊娠したり、結婚したりと……このクダリならまだ幸せ感もあるが、タレントとしては不用意な事だし、実際には揉めて酷い状況に陥り、双方がドロドロだったりするので、気を付けるというか、お痛は禁止しておかないとならない。それでも最近の若い者はネットで繋がったと思ったらすぐベッドでも繋がってるから事務所もマネージャーも大変ですよね。

 そんな「事件」も少なくないなかで、やはりジャニーズ系の流出は少ないと思われる。そこはしっかり守っているということか……。ただ、ジャニーズのやり方として、ネットに頼らない姿勢や写真撮影に応じない面、あるいは業界の内外でもそれを突き通してきた結果に今があるわけでしょう。日本一、いや世界に名だたるエンタテインメントプロダクションになっている現実こそ正しい路だったのではと証明できる。

 相手が大切なファンであっても、それはタレントとしての立場があり、慣れ合ってはいけないし、勘違いさせても傷つくだけだから、必要以上の短い距離感はいらない。そういう意味でも中居をはじめとするジャニーズの面々はデジタルに疎い分だけ完璧でもある。

 逆に、SNSを気軽に使えるタレントらはファンとの距離が近すぎている感も否めない。FBにTwitterやインスタなど憧れの相手と気軽に繋がれる環境や、ファンが発した言葉によってタレントが右往左往する場面もよくある。ファンでない人からは悪口を書かれたり、良いことばかりではない環境をマネジメントとしては与えられないし管理もしきれない。

 芸能人は芸能人としての立場で羨望されるのが最も有効的だ。管理外でむやみに露出すると浜崎あゆみのようにネタにされて笑われてしまうが、そう言っている僕はデジタル派なので、新SMAPらのサービスには共感するし、新しい地図らしい面白さと評価できるが、そのスピード感に不安が残るだけだ。

 露出しすぎたり、ファンとの距離がなくなってくるとタレントはただの人と化す。よくあるパターンにこの3人も例外ではないはず。元ジャニーズの成功者と言えば本木雅弘さんだが、彼は業界内でも雲の上的な存在だ。たまにテレビには出るものの基本的に映画とCMが本舞台なので、昔で言えば高倉健さんのような感じか……。この線を狙っているのが新木村拓哉だろう。

 もはやアイドルではなく、歌手でもなければ俳優で完璧さを追求しないとならない。彼には才能はあるのの世間の見方が「キムタク」(=トレンドという意味)なので少々厄介だが、誰もが驚くくらいの役でドロドロにゲスゲスになってくれたら皆が見直すと思うし、また主役のみならず、どんな役でも熟せる新しい木村拓哉をブランディングしてもらいたい。中居はほっといても日本一のMCだから誰も心配していないことが本人にとっては心地よいだろう。

 とまれ、ファンという神的存在においては、その取り扱いには注意が必要であり、タレントにおいては立場と使命を認識した責任ある行動において期待に応える、そんな関係性が有効的な結果を生み続ける。その一方ではお友達特権やら忖度やらと特別な関係が見え隠れするスキャンダルもまた政治家、いや芸能人としてのブランド価値でしょう。ホリエモンが新SMAPたちに炎上の経験をススメていたが、それは素晴らしいアイデアだと思う。それこそ「新しい」だろう。色々と楽しみだね。

著者プロフィール


ジャニーズ出身の作家

平本淳也(ひらもと・じゅんや)

ジャニーズ出身の作家で実業家。著書34冊のベストセラーを誇る売れっ子の物書きとして、テレビや雑誌など多くのメディアに記事やコメント提供。実業家としてはコンサルティング会社や芸能プロダクション、レコード会社などを運営し、タレントから起業家まで幅広い活動の支援を行っている。http://vjsv.com/

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