夫婦で「別財布家計」に思い掛けない落とし穴

まいじつ

freeangle / PIXTA(ピクスタ)
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むかし、男性は家庭の“大黒柱”と言われていた。夫は外で稼ぎ、妻は家庭を切り盛りするというのが当たり前で、男は給料袋の封を開けず、そのまま妻に渡すということも多かった。家族のために稼いできたものはすべて家に入れるという考え方からで、一家を養う責任感から大黒柱と呼ばれたのもうなずける。

ところが、社会構造の変化で夫婦共働きの家庭が増え、“夫婦別財布”というケースが増えた。明治安田生命保険が20~79歳の夫婦を対象に行ったアンケートでは、3割を超える夫婦が《家計を別々に管理している》と答えた。

若い世代では、別財布の家庭の割合はもっと多いのではないだろうか。こうした家計管理を別々にしている家庭では、例えば自動車のローンや光熱費は夫、食費や日用品は妻など、費目ごとに負担を決めているようだ。妻が専業主婦の場合は、必要な生活費のみ家計に入れ、それ以外は妻か夫が管理しているというケースが多い。

家計負担の方法は千差万別だろうが、女性は妊娠や出産といった理由で収入が下がることもあり、男性に比べると家計を一緒にすることに抵抗を持つ人が少ない。男性の方が“自分の稼いだ金は自分の物”という考え方が強い傾向にある。

「近年では、女性も若いころから働いており、結婚する前から自分の収入で生活することに慣れています。そのため、家庭を持って一緒に暮らし始めても“夫の稼ぎは夫の金、妻の稼ぎは妻の金”と考える夫婦が増えているようです。必要な支出は出し合うものの、それ以外は自分の好きに使っても構わないという考え方です」(経済ジャーナリスト)

大きな出費が生じたときに…

こうした家庭には思わぬ落とし穴もある。

「自分が支払う支出にしか関心がなくなってしまうのです。ですから、配偶者が無駄遣いをしていても気にならなかったり、相手が支払っている費目に無関心になりがちです。初めは“別財布”でも家計はうまく回るものですが、子供が産まれたり、自宅を購入したり、親に介護の必要が生じたりといった場合に、誤算が生じることがあるようです。大きな支出に見舞われ、家計をひとつにしなければ対応できないといった状況になったとき、突然に借金があって返済に困っていると告白されてしまうなんてケースもあります」(同・ジャーナリスト)

男女平等、雇用均等は当たり前の世の中だとしても、ある程度は夫婦間で貯金や余財の管理をしておかなければ、いざというときに「話が違う!」というトラブルを招きかねない。

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