死亡保険金受取の際、控除が受けられず相続税増額となるケースの解説と対策 (1/2ページ)

心に残る家族葬

死亡保険金受取の際、控除が受けられず相続税増額となるケースの解説と対策

生命保険の死亡保険金の受取人は配偶者という方が多いだろう。夫婦で加入し、双方を死亡保険金の受取人としている方もいるだろう。もしも夫婦のどちらかが亡くなり、残った配偶者が死亡保険金を受け取った場合、当然死亡保険金は相続財産となり、相続税が課税される。だが、相続税法の規定によって、配偶者控除や保険金控除を利用すれば、納付すべき相続税額を軽減できる。しかし稀に控除規定が利用できないばかりか、相続税額が増額してしまうこともあるのだ。

■控除が受けられないケースとは?

原因は一つ。生命保険加入後に離婚し、離婚後に死亡保険金の受取人を変更しなかった場合だ。例を挙げると、ご主人と奥さん、子供二人の家族が居たとして、ご主人が離婚し、直ぐに再婚したとする。この状態で死亡保険金の受取人が、前妻である生命保険があった場合だと、保険会社に死亡保険金の受取人の変更届を提出しない限りは、受取人は前妻のままになっている。
ご主人が亡くなり相続が開始された時点で、死亡保険金は自動的に前妻に支払われる。前妻が受け取った死亡保険金の保険法(平成22年4月施行、施行以前は商法)の規定による取り扱いは、前妻が本来所有していた財産とされ、被相続人(ご主人)の相続財産とは見做されない。こうなると、相続人で分割することもできないし、また、遺留分を請求することもできなくなる。
過去の裁判では遺留分を認められるなど、相続財産と見做す旨の判決がでている。但し、ごく稀な判決であり、死亡保険金がかなりの高額で、婚姻期間が非常に短期間であった場合と言うように、事件性が疑われる状況に限られている。原則的に前妻が受け取った死亡保険金は、被相続人の相続財産とは認められないと考えた方が良いだろう。

■相続税が増額される理由とは?

では、なぜ相続税が増額される場合があるのかと言うと、相続税法上では死亡保険金はみなし相続財産とされ、相続税が課税されるからだ。前述の例だと、前妻が受け取った死亡保険金は、前妻の本来所有していた財産ではあるが、もともとはご主人から遺贈を受けたものと見做されることになる。しかも、前妻は相続人ではないため、保険金控除の規定を受けることができず、死亡保険金の全額に相続税が課税される。

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