エスカレートする「キラキラネーム」の現状

まいじつ

makaron* / PIXTA(ピクスタ)
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子供の名前の決め方に変化が生じている。これまでは書籍などを購入して画数で決めたり、かつては親やそれぞれの祖父母から命名するなどのケースが目立っていたが、最近は姓名判断ができるウェブサイトの情報を見ながら、夫や妻と相談して決めるというケースが多いようだ。

その際、親は「生まれたら○○ちゃんと呼びたい」などの理由で、名前の音や読みを先に決め、あとから漢字をあてる傾向が強い。

ベネッセコーポレーションは毎年、赤ちゃんの人気名前ランキングを発表している。昨年は約1万8000人が対象で、男の子は『蓮(れん)』、女の子は『陽葵(ひまり)』が最も多かった(漢字は同じでも読みは別のものも含む)。

人気の読みでは、男子は8年連続で『はると』がトップを続け、女子は『はな』だった。『はると』の漢字は『陽翔』、『悠人』、『晴斗』、『大翔』、『晴翔』など10種類以上がある。

名前の読み方は自由に決めることができるが…

戸籍法で名前は《常用平易な文字を用いなければならない》と定められており、使える漢字として計2999字が指定されている。ただし、漢字の読み方は自由で、『一二三』と書いて『ワルツ』や『ドレミ』と読むなど漢字本来の読みではない当て字も認められている。

例えば『竹内』という姓を入力し、運勢が良い名前が出てくるサイトで調べると、男子では『空太(いくた)』、『彩嵐(あらん)』、『凰翔(おうが)』。女子では、『乙葵(おとぎ)』、『愛灯光(あとひ)』、『愛一菜(あいな)』など、名前の漢字そのものに“キラキラ度”が高い名前が数多く出てくる。

最近ある役所に、『胱』と『腥』という漢字を用いた出生届があったという。『胱』は月と光でロマンチックなイメージが沸く。『腥』も月と星でいいイメージだ。

ところが、『胱』は人体が尿を溜めるためる『膀胱(ぼうこう)』で使う漢字で、月は“にくづき”という部首。本来は“肉”の象形で、“肺”や“肝臓”などの偏と同じだ。『腥』も“生臭い”という意味を持つ。どちらも夜空の月とはまったく異なる意味を持っている。

というわけで、現時点でこの2字は、使用が認められていない。字体は格好いいが、その文字の意味や成り立ちはよく調べた方がいいだろう。

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