GLAYがJASRACに異議を申し立て?結婚式は無償提供の神対応に反響広がる

デイリーニュースオンライン

Photo by Dusty J(写真はイメージです)
Photo by Dusty J(写真はイメージです)

 人気ロックバンド・GLAYが10日、結婚式で使用する楽曲に限り、「著作権料を徴収しない」と同公式サイトの中で発表し、業界内外から「神対応だ」「カッコ良すぎる」と賞賛の声が上がっている。

 同サイトでは、メンバー自身が「結婚式という人生の素晴らしい舞台で自分達の曲を使用してもらえる事は大変喜ばしいことであり、それであれば自分達は無償提供したい」と考え、「ブライダルで使用する場合に限り」、著作隣接権を無償提供することに決めたと記している。

「GLAYといえば『神対応』といわれるほど、ファンに対する心配りが評判です。14年には被災地に近い山形で復興支援ライブを行い、6000人を無料招待。また15年には函館アリーナでライブを開催したのですが、函館空港が濃霧で飛行機が降りられず、他空港へ着陸する事態に。その時にもライブ開始時間を遅らせ、電車で向うファンのために函館駅にジャンボタクシーを手配するなどきめ細かい配慮をしています」(音楽誌編集者)

 今回の無償提供も「そんなファン思いのGLAYゆえに、JASRACの理不尽なルールに対して我慢ならなかったのでは」と説明するのは別の週刊誌の記者だ。 

■結婚式で好きな曲をかけられない? 理不尽すぎるJASRACルール

「じつは最近、結婚式場に好きな曲を流すのを断られる人が続出しているんです。結婚式はご祝儀が入場料にあたるため、私的利用に該当せず、JASRACと契約を交わしていない結婚式場でCDなどを無断で使用すると著作権侵害で罰せられる。そのため、式場側が楽曲の使用を断るケースがあるんです。今回の件は『グロリア』など、結婚式に向いた楽曲が多いGLAYに、ファンから『使わせてほしい』と切実なお願いがあったことがきっかけ。ファンの門出を祝いたいGLAYが『なぜ人生の晴れ舞台で好きな曲もかけられないんだ』と、理不尽なルールに怒り、『著作隣接権だけでも』と無償提供して世間に問いかけたようです」

 結婚式場によって音楽に制限がある事実に、ショックを受ける新郎新婦も多いという。あるSNSではカップルが「GLAYの音楽が縁で結ばれたのに、結婚式で流せなかった」という声もあった。式場側はそんな切実な悩みは知りながらも、18年度から音楽教室からも著作権料を徴収するなど猛威を振るうJASRACを恐れて、はっきり断るケースが増えたのだという

 今年2月には、歌手・宇多田ヒカル(34)も「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな」とTwitterでJASRACを意識したつぶやきをして話題になった。歌はいったい誰のモノなのか? そして、JASRACのルールは、音楽ファンやアーティスト、そして音楽業界のためになっているのだろうか。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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