トップリーグトライ王・山田章仁、頂点へ「あうんの呼吸で」と自信。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 ラグビーを愛するファンは、一様に「あれ、ヤマダだよな?」と戸惑っただろう。

 1月7日、大学選手権決勝戦があった東京・秩父宮ラグビー場。メインスタンドにいた帝京大の岩出雅之監督を捉えるテレビ画面に、慶大出身でパナソニックの山田章仁が映り込んでいた。そのシーンは、会場設置のビジョンにも流れた。同じスポーツブランドから用具提供を受ける縁で、特等席に招かれたようだ。

 結局、帝京大が明大を21-20で制し9連覇を達成。息詰まる熱戦を生観戦した山田は、13日に同じ場所で日本選手権兼トップリーグプレーオフの決勝戦に挑む。

 試合2日前には、本拠地の群馬・パナソニックグラウンドで本格調整。着替えを済ませたところで記者団に囲まれ、まずは学生王者となった帝京大の話題に触れる。

 来季は10連覇に向け助監督就任かと問われれば、「大きなタイトルは嫌いじゃないので…」。明らかに冗談とわかる口調で応じる。「残念ながら、ないです」。サービス精神は欠かさない。

 名物監督が決戦の指揮を執るのを至近距離で見て、学べたことはあったか。大外のWTBでプレーする32歳はそう聞かれ、今後の自分に置き換えて話した。

「80分を通してしっかり戦うということで、監督も大きな器でゲームを見守っていました。僕も、そういう観点から試合を観られればと思います」

 13日には、日本選手権を兼ねたトップリーグプレーオフの決勝戦に挑む。対する昨季王者のサントリーに「シンプルに強い。バリエーションも多いしうまさと強さもある」と敬意を表すが、自軍の充実ぶりにも手ごたえをつかんでいる。

 今季はリーグ戦で12度もインゴールを割り、最多トライ賞を獲得。防御の裏に蹴られたキックを拾ったり、抜け出した味方に並走したり。「どのチームもディフェンスがしっかりしてきていて、なかなかギャップがない」という国内の潮流にも対応し、チャンスを仕留めてきた。

 ファイナルの舞台となる秩父宮は、芝の状態が劣化して走りにくさなども指摘される。しかし、日本代表23キャップ(国際真剣勝負=テストマッチへの出場数)を持つ山田は「そこは気にならないですね。あきらめてます」。地上で弾むボールの行方なども注視し、貴重なスコアをたたき出したいとする。

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