玉木正之のスポーツ内憂内患「春日野部屋『暴行隠蔽』には呆れ返るほかない」 (1/2ページ)

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玉木正之のスポーツ内憂内患「春日野部屋『暴行隠蔽』には呆れ返るほかない」

 初場所で初優勝を果たした栃ノ心の活躍は、本当に見事だった。

 もともと前褌(まえみつ)の取り方、引き付けての寄り身など、外国人力士にしてはパワー以上に技術に優れ、08年十両に昇進したときから、いずれは三役に定着する力士と注目していたが、幕内昇進後、右膝十字靱帯断裂という大怪我で4場所連続休場。

 番付も幕下西55枚目まで落としたが、春日野親方(元関脇栃乃和歌)に励まされ幕下と十両での4場所連続優勝を経て幕内に復帰。そして春日野部屋では1972年の栃東以来46年ぶり、平幕力士としては12年の旭天鵬以来6年ぶりとなる見事な優勝を果たした。

 とはいえ、この栃ノ心の快挙に水を注したのが、春日野部屋で新たに発覚した暴行事件だった。

 4年前の14年9月、春日野部屋の元力士が、入門してまだ日の浅い弟弟子に対して暴行。弟弟子は顎を骨折して全治1年6カ月の重傷。しかも味覚消失という傷害も負ったというのに、スポーツ紙が記事にするまで表沙汰にならなかった。

 被害に遭った力士は、日馬富士の暴行事件が騒がれる一方で、自分の事件が揉み消されることに不信感を抱き、公表したという。

 事件の起きた直後、春日野親方は「冷やしておけば治る」と言ったとか‥‥。被害者が部屋を逃げ出して自宅に戻ると、病院に連れて行くからと言われて部屋に戻され、しかし国技館の相撲診療所に連れて行かれただけだったので、被害者が自分で大学病院へ行き、即入院して手術と診断されると、春日野親方に「余計なことをしやがって」と言われたとか‥‥。

 まったく誠意のない対応に、被害者は加害者の兄弟子と親方を刑事告訴。春日野親方は不起訴となったが、加害者の力士には懲役3年執行猶予4年の重い判決が下された。そして現在も、春日野親方と加害者に対して、損害賠償3000万円を求める民事裁判が争われているという。

 問題は、これほど大きな暴行事件が、4年間も「隠蔽」されていたことだ。

 事件発覚後、春日野親方は「隠蔽」などしておらず、当時の協会執行部には報告済みと発言。公表しなかったのは、当時の北の湖理事長、危機管理部長の貴乃花親方、危機管理委員会(宗像委員長と小林顧問)の判断と発言。

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