羽生結弦、金メダル取材での「国旗は下に置けない」発言に日本中で称賛の声

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羽生結弦、金メダル取材で「国旗は下に置けない」発言に日本中が感動の嵐
羽生結弦、金メダル取材で「国旗は下に置けない」発言に日本中が感動の嵐

 フィギュアスケート男子の羽生結弦選手(23)が17日、ソチ五輪に続いて平昌でも金メダルを獲得する偉業を果たし、日本中が沸いた。二大会連覇はフィギュアスケート男子ではなんと66年ぶり。また2位に同じ日本代表の宇野昌磨(20/トヨタ自動車)が入り、史上初となる「日本人2人の表彰台」とあって、都心では号外が配られる盛り上がりをみせた。

 羽生は17年11月にNHK杯の練習で右足首靱帯を負傷。4カ月のブランクを経た今大会は、決して万全のコンディションとはいえなかった。それでもケガを乗り越えて、見事に演じ切り、演技後には思わず右足に手が伸びて撫でていた。「右足に感謝しかないです」と語る羽生に、多くのスポーツファンは感動をおぼえたことだろう。

 そんな羽生が、もう一つ、ささいな言葉で日本人の心をゆさぶる出来事があった。男子フリー後のインタビューを受けた際、羽生はカメラの前で手荷物を下ろそうとしたが、ふと思い出したように「国旗。国旗だけ誰か、下に置くことはできないので」と、つぶやいた。そして、羽生は国旗をスタッフに手渡してから、インタビューを受けた。ほんのひと言、ささいな所作に、羽生の人柄が現れた瞬間であった。おごることなく、ただただ謙虚に、己が背負い、そして送り出してくれた”日の丸”に、自然と畏敬の念を払っていた。

 ちなみに羽生は、今日も肩に日の丸を掛ける前にも一礼して「ありがとうございます」とつぶやき、その後、丁寧に半分に折りたたんでいるシーンも目撃されている。

 羽生のこれらの行動には、SNS上でも「ありがとう! 忘れていた気持ちを思い出した」「羽生選手の行動は、演技以外でも見ていて気持ちがいい」「最近、涙もろくて困る。」「彼は日本の誇り。国宝ですよ」「もはや白鵬の代わりに横綱をお願いしたいレベル」などと、胸を熱くした人も多かったようだ。

 平昌ではスポーツと関係のないところで、「美女応援団」だの「南北合同チーム」だの、さんざん政治利用されたナショナリズムに辟易とさせられた。だが、純粋にスポーツをつきつめていった超人たちが、自身の足下のアイデンティティとして「国」に立ち戻って敬意を払う姿は、アメリカ人であれ、アフリカ人であれ美しい。かのウサイン・ボルトもインタビュー中に他国の国歌が流ると、話を中断して耳を傾けていた。92カ国すべての選手が、国を背負い、その誇りを胸に戦っているのだ。そんな五輪の原点を、羽生選手が思い出させてくれた気がする。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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