二度と見られない「お蔵入り“艶”シーン」大全(4)<埋もれた名作選・大原麗子の幻の初主演映画> (2/2ページ)

アサ芸プラス

〈19歳の卵子(大原)は、みごとなテクニックで客を腹上死させたこともある東北の売春婦。逃げるように上京した卵子は、トルコを経営する女・ナミと知り合い、レズの餌食にされ、さらに前夫(梅宮辰夫)にも犯され、乱交パーティーの要員にもされる〉

 あの大原が、レズや乱交パーティーを演じたことはもちろん、インポの男を華麗なテクニックで昇天させる場面まで‥‥。

 記念すべき初主演作でありながら大原はこの役をプロフィールから抹消し、現在では「トルコ風呂」という名称が不適切ということもあり、完全に姿を消した状態である。

 数ある封印作の中でも、「誰も見たことがない」とまで言われるのが、72年に制作された「夕映えに明日は消えた」(東宝)だ。当時、「木枯し紋次郎」(フジテレビ系)で大人気だった中村敦夫を主演にしながら、マスコミ試写すらも実現しなかった。

 残されたシナリオで再現すると、中村は渡世人・風鈴の佐吉役。設定は紋次郎と同じ匂いがするが、実際は雨乞いの人柱に捕らえられたという悲しい役どころ。

 この佐吉を見張るのは、村の男たちの性欲処理に使われている娘・小夜(テレサ野田)だ。

 問題になったのは小夜のレイプシーンではなく、上層部が「あまりにも結末が悲しすぎるから」と判断したためと言われている。真相は今も藪の中だが、今後も復活することはなさそうだ。

 今や天下の名優たる風間杜夫(68)は、若手時代にロマンポルノ出演で修業を積んだ。その一篇である「壇の浦夜枕合戦記」(77年、日活)は、かつてVHS化はされたものの、DVDになる可能性は低い。

 その理由は、風間扮する源義経が、ひたすら性欲の矛先を向ける相手が建礼門院(渡辺とく子)であること。最後には義経の願いを聞き入れて絶頂を迎える建礼門院だが、平清盛の次女で、高倉天皇のれっきとした皇后なのである。この設定を堂々と撮ったのは巨匠・神代辰巳だが、封印もやむなしであろう。

 最後は、芥川龍之介の幻の原作とされる「赤い帽子の女」(82年、日本ヘラルド)だ。戦前のドイツを舞台に、日本の男たち(泉谷しげる、永島敏行)が退廃的な日々を送るという物語。

 制作陣は「日本の男と金髪女性による本番性交」をもくろんだが、現地の撮影でトラブルが続出。脚本家は改稿に激怒し、そもそもハードコアも実現していない。

 残念ながら期待外れの内容に終わり、興行的にも惨敗したため、現在の視聴は困難となっている。

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