圧力や練習妨害まで?女子レスリング伊調馨、パワハラ騒動の顛末

デイリーニュースオンライン

Photo by BrianMcguffog(写真はイメージです)
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 1日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、女子レスリング・伊調馨選手が、かつての恩師でもあり、日本レスリング協会強化本部長・栄和人氏からパワハラ被害に遭っていることが報道された。

 番組では、オリンピック女子レスリングで4連覇、国民栄誉賞も受賞した伊調馨選手やコーチが、栄和人氏から練習の妨害など“圧力”を受けたとして、今年1月、代理人の弁護士が内閣府の公益認定等委員会に「告発状」を提出していたことが明らかにされた。

 フジテレビが入手した告発状によると、告発者は、オリンピックに出場経験を持つレスリング指導者A氏とB氏。伊調選手のサポートをするなかで、栄氏から圧力を受けていると主張している。

 告発文には「栄理事は自分の言う通りにならない伊調馨を許すことができず彼女が信頼しているA氏に対し指導をしないように命じたものである」「伊調馨は、その後練習場が定まらず練習もできない状況に置かれた」と書かれているという。

 この騒動は、今日1日発売の『週刊文春』で「伊調馨悲痛告白「東京五輪で5連覇は今のままでは考えられない」「恩師栄和人強化本部長からの陰湿パワハラ」と大きく報じられている。記事では、伊調選手が「2年後の東京五輪に向けての十分な練習ができない」「狭い世界なので、私がどこに練習に行ったというのはすぐわかるのでストップがかかることも…」と窮状を訴えていた。

 この両者の溝はどこで生まれたのか? その理由として、告発状には、「2009年、(栄氏が監督を務める)愛知県の至学館大学を拠点に練習をしていた伊調選手が、東京に拠点を移した」ことにあるという。

 全日本男子のコーチをしていたA氏の指導も受けながら、女子だけでなく、男子の練習にも参加を希望して東京へ行った伊調選手。ところが、栄氏は自分の元を離れた、この行動が許せなかったようだ。

 また、告発状によると、上記に書かれていたこと以外にも、2012年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得した後、伊調選手は男子の合宿練習への参加を禁止されたという。さらには、2016年のリオデジャネイロオリンピックの直前には、栄氏らの関係者に対する指示で、それまで練習していた警視庁にあるレスリング場のへの出入りが出来なかったこともあったそうだ。しかも、リオへ行く際も、栄氏は自分の気に入っている選手と「ビジネスクラス」で現地入りしているのに対し、伊調選手は他の日本選手団と共に「エコノミークラス」で現地入りさせられるなど、(栄氏による)協会の私物化を訴えている。

 この告発に、番組では栄氏本人に取材を行ったところ、告発状に書かれているような圧力に関して「してない」ときっぱり否定。A氏に対しても「彼は男子のコーチなので、男子の選手をしっかり見てから、伊調を見なさいと指示しただけでコーチングは禁じていない」と弁明した。男子の合宿に参加を禁じたことについては「女子の合宿に来ないで、男子の合宿に参加するのはチームの和が乱れるで…」と暗に禁止したことを認めた。練習場への出禁に対しては「心当たりがない」と言う。

 今回、A氏と一緒に告発に踏み切ったレスリング関係者のB氏に、現在の伊調について聞くと「練習場所を求めて、大学に場所を借りてやったりだとか…」「本人としては東京オリンピックに出たい気持ちはあるが、今コーチもいないし直接指導してくれる相手もいないし(東京五輪)を目指せる環境ではない」と、彼女の置かれている状況を心配していた。

 番組コメンテーターのグローバーは「事実として、コーチがいない、場所がいないという状況の選手がいたら、(栄氏は)強化本部長の立場として、それを探すというサポートをしてほしいと思う」と発言。番組MCの小倉智昭は、「平昌オリンピックのメダリストはコーチを絶賛する選手ばかりで、悪く言う人はいない。それなのに今回なにがあったのか? 伊調さんに直接話しを聞いてみないと分からない」と、真相の究明を望んでいた。

 なお、栄氏は今回の報道に納得はしておらず、日本レスリング協会も昨日の段階では「ノーコメント」の立場だという。

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