12~2月に発症リスク上昇!大杉漣さん急逝で気になる心筋梗塞「ここが恐い」

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12~2月に発症リスク上昇!大杉漣さん急逝で気になる心筋梗塞「ここが恐い」

 2月21日未明、映画・テレビで活躍する俳優の大杉漣さんが急逝した。ドラマの撮影終了後に体調不調を訴え、訪ねた病院で息を引き取った。急性心不全だった。享年67歳。ある日突然襲うこの病とは。

〈心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気〉

 日本循環器学会と日本心不全学会は昨年10月、心不全をこう定義した。そしてその理由を次のように説明した。

〈我が国の循環器疾患の死亡数は、癌に次いで第2位となっており、心不全による5年生存率も50%と予後についても決して良くない。 しかし、その事実と心不全の怖さ(完治しない等)については国民にあまり知られていない。そのため、心不全について、国民によりわかりやすく理解してもらうため新たに作成した〉

 大杉さんは20日、午後9時ごろまでドラマの収録を行っており、午後11時ごろにホテルに戻り、再び食事に出た際に腹痛を訴え、病院に運ばれ治療が施されたが、容体は好転せずそのまま亡くなった。共演者たちによると、大杉さんはいつもと変わらない様子だったといい「あまりにも突然のことで、メンバー一同、まだ現実を受け入れられないでいます」とコメントしている。また、昨年12月に亡くなった野村沙知代さんの死因も虚血性心不全だった。

 心不全の原因はさまざまだが、多いのが心筋梗塞。国立循環器病研究センターによれば、寒さが厳しくなる12月から2月ごろにかけて心筋梗塞の発症が高まるという。暖かい屋内から寒い屋外に移動する際に血圧が急激に変動することが理由のようだ。室内でもトイレ、浴室など寒暖差の大きいところで多発する。大杉さんも真冬の夜中の外出が影響したのだろうか。齋藤クリニックの齋藤浩院長は言う。

「心不全のような心臓の病気は高齢者と言っても50~60代に発症する例が多い。恐ろしいことに、前兆もなく発作に襲われる。そのため胸や腹部にいつもと違う痛みを感じたら、急性心不全を疑ったほうがいい」

 胸に重苦しい痛みが走ったり、お腹に「食べ過ぎ」や「腸炎」と違うガマンできない痛みを感じたら救急車を呼んで一刻を争って治療を受けなければならないとも話す。急激な寒暖の差のほかには、高脂血症、喫煙、高血圧、糖尿病、肥満、運動不足、ストレスなど心不全の原因は多い。中でもタバコの影響は大きいという。大杉さんはかってはヘビースモーカーだったが、10年ほど前から禁煙していたという。齋藤院長もタバコについては、その影響についてとりわけ強調してこう話す。

「若い時からたばこを吸っていた人は禁煙してもリスクが下がりにくいんです」

 常日頃からの健康管理が大切なのはわかるのだが、それが一番難しい。

(谷川渓)

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