俺たちがシビれた「刑事ドラマ」50年の勲章<直撃1>千葉真一「キイハンター」 (2/2ページ)
千葉 やはり一番は、走る車でセスナを追い、窓からセスナの翼に飛び移るシーンだね。アクセルを離すわけだから車が減速していって、よし、今のタイミングなら飛び移れる──そう思ったら、足が車のハンドルに引っかかって抜けなくなった。神経が足に集中するから、よけいに抜けない。
── もちろん、吹き替えなしで演じていますし。
千葉 そう、「ああ、この高さでコンクリートに頭から落ちたら死ぬな‥‥」と覚悟して。そしたら、それで自分の足から意識が消えたんだろうね。スコーンと抜けて、セスナに飛び移ることができた。
── こうした極限のアクションもそうですが、丹波哲郎を中心とした「国際警察特別室」の面々も個性豊かでした。
千葉 あれは、やはり丹波さんの人柄だろうね。そうそう、丹波さんの黒木鉄也を「ボス」と呼ぶようにしたのも僕のアイデアだった。
── そして昨年亡くなった元夫人・野際陽子との出会いも、このドラマです。
千葉 陽子ちゃんが持っている日本人にはないおしゃれなリズムというのかな、それを生かしてあげようと思って。彼女を救出する時に「お嬢さん、死にたくなかったらお手をどうぞ」とキザなセリフを言ったりね。それが評判よくて、脚本家もどんどんセリフに入れてきた。そうした遊び心を陽子ちゃんも楽しんでいたね。
── 海外でも放映され、ブルース・リーやジャッキー・チェンにも影響を与えたと言われています。
千葉 ブルース・リーはすでに確立していただろうけど、ジャッキーは初来日の時に僕のところへ挨拶に来て「ずっと見てました」と言ってたよ。ああいう、世界に通用するものを作りたいね。
── まだまだ十分可能に思えます!