スポンサーへのリコール運動に、Wikipediaプロフィールの「在日」書き換えなど、『バイキング』（フジテレビ系）のMC・坂上忍（50）への大規模なアンチ運動がネット上で起こり、炎上騒動となっている。

　坂上へのネット世論の反発が強まったのは23日の放送だった。番組では爆破予告のメール脅迫をうけた和田政宗参議院議員（43）の話題を取り上げていた。和田議員は、19日の参院予算委員会で太田充・理財局長に「増税派だからアベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないか」と詰問し、太田局長が「いくら何でも」と3度も繰り返して抗弁するとやりとりがあった。これを見た視聴者が和田議員に脅迫のメールを送ったと見られる。

　坂上はこの和田議員の発言に対し「元NHKなの、コレ？」と呆れたように暴言。さらに和田議員の「党や官邸が隠蔽の扉をこじ開けなければ、財務省内部で書き換えの事実は隠されていたかもしれない」という発言が紹介されると、「コイツ何言ってんの？」と”コイツ呼ばわり”したのだった。

　この坂上の発言はSNS上でも大炎上した。「さすがに言い過ぎ」「和田議員は、選挙により国民から選ばれた議員です。投票した国民をも愚弄してる」「何様のつもりだ」など非難が殺到していた。その後、25日にはTwitter上には『バイキング』のスポンサー一覧と電話番号を掲載した画像がアップされ、「安倍政権に対する悪意の印象操作が著しく酷い『バイキング』」「スポンサー各位はこの番組の在り方に『賛同』しているのか」などと、電話やメールによる問い合わせを呼びかける運動が起こり、わずか2日で4700件以上の「いいね」が付く騒動となった。

　さらに、21日には坂上のWikipediaで「在日3世」「本名は姜・忍訓（カン・インフン）」などと根拠不明の情報を書き換えられる騒動も起こっていた。この情報はTwitter上でまたたく間に拡散。まとめサイトでも紹介されるなど、多くの人たちが和田議員の騒動や一連の安倍政権批判の背景に、この「人種問題」があるかのごとくコメントを残す事態となってしまった。

　たしかにここ最近の坂上の発言は、放送法4条の「政治的中立」を問われる民間放送のMCとして目に余るものがある。坂上は、27日の佐川宣寿・前国税庁長官への証人喚問で質問に立った丸川珠代議員（47）に対しても「丸川さん、何のために政治家になったんですかね？」と小バカにしたような発言をして、小炎上を見せている。

　しかし、坂上の発言がいくら常識を疑うようなものであったとしても、「ヘイト」による情報操作をするのは、かの新聞社や隣国と同じ穴の狢に陥ってはないか。ネット上のいち市民が、彼と相対した時に面と向かって言えない言葉を吐くのも、野党や坂上と同じ無責任な暴言に過ぎなくはないか。坂上の不条理に対して起こした行動が、国を思えばこその義憤であるならば、日本国民らしく威儀を正して、是非を問うていくことを望みたい。