野村克也×江本孟紀「2018プロ野球開幕“ど真ん中大放談”」(6)石原裕次郎と同じ主治医に (1/2ページ)
江本 1月には星野さんも亡くなりましたが、裏ではお互いの病気のことも知っとったんですよ。でも二人ともピッチャーですから、あんまり泣き言を言うタチではないのでね。“いいカッコしい”なんですよ。
──お二人とも公表なさっていませんでしたね。
江本 星野さんは亡くなるまで言わなかったし、私も言う気はなかった。まあ、どこかから漏れましてね。取材に来られたりして「勘弁してくれ」というところでした。星野さんとは、去年のあの人の殿堂入りのパーティーが最後になりました。入り口でばったり会ったんで、二人で写真撮ってね。「そっちはどうや?」「いやあ、俺のほうが早いかもしれませんよ。先に逝って待ってますわ」なんて冗談を言うてたら、向こうのほうが先に逝ってしまいましたね。監督は体調どうですか?
野村 俺も数年前に一度入院してるよ。あの、石原裕次郎さんと同じ病気でね。かかった主治医も裕次郎さんと同じやった。解離性動脈瘤といって、8割は死ぬんだって。残りの2割の中に入りましたよ(笑)。ウチはガンの家系だから、死ぬ時は絶対ガンだと思っていたんですけど、それはまだ来てないね。
江本 やっぱり70超えたらそうなるんですよね。
──かつての同僚やライバルと会っても、「最近、体はどうだ?」というような話になってしまいますか?
江本 そうですね。ちょうど我々のような団塊の世代は、野球界にたくさんいるので、会ったらたいてい病気か孫の話ですよ。野球選手も普通の方たちと一緒で、だいたいその2パターンです。
野村 人間が絶対勝てないものはふたつある。時代と年齢ですよ。それに直面してるね。いくら頑張っても年には勝てないわ。江本はどうや?
江本 いやー、勝てませんね。
野村 はっはっは。
江本 体がどこも悪くならなかったら、たまたま運がいいだけなんですよ。