鈴木哲夫の政界インサイド「二階幹事長に囁かれる森友抹消『ウルトラ奇策』」 (1/2ページ)
真相解明へと進むことなく、終わってみれば大方の予想どおり。3月27日に衆参両院の予算委で行われた佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問のことだ。森友学園への国有地売却に関する財務省決裁文書がなぜ改竄されたのか。当時、理財局長だった当事者の口から、明確な答えが語られることはなかった。
「担当局長としての責任はひとえに私にある」
佐川氏は、そう認めながらも、「誰が、何のために?」という質問になると、
「刑事訴追のおそれがあるのでお答えできません」
を50回以上も連呼して逃げ通したのだ。
ところが、驚くほどきっぱりと言い切ったのが政治家の関与。
「(改竄は)理財局の中だけでやった話」
と、完全否定したのだ。野党ベテラン議員が話す。
「これでは忖度どころか、自民党と事前に質問と答えのすり合わせをしていたとしか思えない」
確かに、佐川氏と自民党議員とのやりとりには不自然さがつきまとう。
例えば、参議院での丸川珠代議員の質疑。質問の文言を変えては何度も安倍首相や昭恵夫人、菅官房長官らの名前をあげ、改竄の関与や圧力がなかったかを確認していく。そのたびに、佐川氏は「ございません」と答える。最後に、丸川氏は「総理、総理夫人、官邸の関与はなかったとの証言を得られました」というひと言で締めたが、これなど“演出”の匂いがプンプンするのだ。
自民党幹部の多くが「官邸の関わりを否定したことでこの問題は終わり」と一斉に語ったことで、ますます“演出臭”が強まったが、内心はヒヤヒヤしているはずだ。実際に「支持率がどうなるか」と警戒感を隠さない議員は非常に多い。
先立って行われた自民党大会に参加した地方組織幹部は喚問後、こう話した。
「佐川喚問での、首相らの責任はないという証言で世論が納得したとは思えない。むしろ、わざとらしく映ってさらに支持率が下がるのではないか。来春の統一地方選を抱える身としては、さらに下がるようなら、トップの顔を替えてもらわなければ戦えない」
こうした中、自民党内では、あるシナリオがささやかれている。自民党ベテラン議員が説明する。
「あえて会期内に内閣総辞職する。