鈴木哲夫の政界インサイド「『安倍不支持』が強まる裏の野党間“不協和音”」 (1/2ページ)

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鈴木哲夫の政界インサイド「『安倍不支持』が強まる裏の野党間“不協和音”」

 森友学園への国有地売却に関する決裁文書改竄問題で、私は野党の喚問への対応に、いささか疑義を抱いていた。佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が行われたその日、質問に立った希望の党・今井雅人衆議院議員とテレビ中継で話す機会を得た時のこと。

 喚問の質問時間を野党の議席数で割りふったため、小さな党は5分程度しかない。そんな短時間で、いったい何が聞けるというのか。なぜ、野党全部がまとまって、質問内容を調整しないのか。そのことを問うと、今井氏はこう答えた。

「反省しています。突っ込めそうなところで時間がない。各党に事情があります。しかし、その辺りのくふうをしなければ。次の証人喚問はこの教訓を生かしたい」

 もちろん、際立った質問をした野党議員もいた。例えば、共産党の小池晃参議院議員や民進党の江田憲司衆議院議員。だが、いかんせん時間が短い。

 実は、森友問題が再燃した3月2日、ある野党OBが野党各党の幹部らにこんな提言をして回った。

「野党6党(立憲・希望・民進・共産・自由・社民)の仕切りを取っ払って特別チームを発足させ、代表や副代表を置き、調査部会をいくつか置いて組織化すべき。いずれ証人喚問など国会で追及する時が来る。その際に、質問時間を有効に使える。いわば、一つの大きな野党を作るくらいの気持ちで、コトに当たるべき。そのあと、政界再編にもつながるラストチャンスだ」

 もちろん野党6党は合同集会を開き、財務省へのヒアリングなどを続けており、一枚岩のように見えるが‥‥。

「各党のメンバーは、『俺が』『俺が』で質問の統一性がない。他の党が質問して初めて知った事実もあった」(希望の党幹部)

 実情は不協和音が響いていた。国会対策の場面でも同様だった。

「数もあって、勢いもある立憲民主党が主導権を握ろうとして打ち合わせが混乱した。本来なら、最も影響力がある党が後ろに回って下支えしてくれれば、6党がまとまるのに‥‥。かつての自社さ政権の時は、自民党が陰に回って社会党の首相を担いだからうまくいったわけで、立憲は少し考えてほしいところだ」(民進党議員)

 この状況を打開すべく、4月に入ると民進党の大塚耕平代表が新党結成の方針を決めた。地方組織の了承も取りつけたという。

「鈴木哲夫の政界インサイド「『安倍不支持』が強まる裏の野党間“不協和音”」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 4/19号森友学園鈴木哲夫安倍晋三安倍政権社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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