【相続対策】小規模宅地等の特例改正で「三年内家なき子」の一部が適用外に

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【相続対策】小規模宅地等の特例改正で「三年内家なき子」の一部が適用外に

既に相続税対策を実施している方、平成30年度の相続税法改正において注意すべき点があるのをご存じだろうか。相続税では高額になりがちな税額に対して、一定の優遇措置が設けられている。そのなかで、多くの方が適用を受けている措置は小規模宅地の特例(措置法第69条4項他)だ。

■小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは、宅地面積が330㎡以下であり、所有者が亡くなった日までに居住していた建物の敷地であった場合等一定の要件を満たしていれば、相続税評価額を最大で80%減額できるものだ。しかし、平成30年度の改正で制限が設けられることになってしまい、今までに実施した対策が無効になってしまう可能性がでてきた。それは、「三年内家なき子要件」の見直しだ。

■三年内家なき子要件とは?

三年内家なき子要件とは、以下の通りだ。

(1)被相続人に配偶者および同居相続人が居ないこと
(2)相続開始前三年以内に日本国内に所在するその人(被相続人)又は被相続人の配偶者が所有する家屋に居住したことがない人が相続または遺贈により取得すること。
(3)当該家屋の敷地となっている宅地を相続税申告期限(十ヶ月)まで所有していること

となっている。ところが、平成30年度の改正において次のようになった。

(1)相続開始前三年以内に、被相続人の三親等(孫まで)の親族または被相続人と特別な関係のある法人が所有する日本国内に所在する家屋に居住したことがある者
(2)相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者


■既に始まっている改正

施行は平成30年4月1日以降に開始された相続となるので、該当される方は対策の練り直しを勧める。ポイントとなるのは、親(被相続人)と子(相続人)が同居しているか否かと、子(相続人)に持ち家があるか否かである。子に持ち家があれば、他人に賃貸するか売却し親と同居せず、子は賃貸アパートまたは貸家に居住し、三年経過した後に親が亡くなれば小規模宅地の特例の適用を受けることができる。詳細は省略するが、改正されて間もないこともあり不安を感じたならば早急に税理士に相談し、対策を練り直して欲しい。

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