相続税対策で「貸付事業用宅地等の特例」を検討する際に知っておくべきこと (1/2ページ)

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相続税対策で「貸付事業用宅地等の特例」を検討する際に知っておくべきこと

相続税対策を目的として、賃貸アパートや賃貸マンションを運営されている方に注意が必要となってきた。平成30年度の相続税法改正により一定の制限が課せられることになった。今回は、改正の注意点について簡単に解説してみたい。

■相続税対策で建設ラッシュとなったアパートだったが…

相続税の節税対策として効果が高く、一般的に適用を受けている方が多い制度は小規模宅地の特例だ。小規模宅地の特例の内に貸付事業用宅地等の特例がある。相続または贈与により取得した土地に賃貸アパートを建築し運営すると、一定の要件を満たせば相続税評価額を最大で50%減額できる制度だ。

本年度の改正前、当該特例の適用を受けるため賃貸アパートの建設ラッシュが発生した。その影響から賃貸アパートの供給過多が起き、中々満室にならないばかりか家賃収入が増加せず、賃貸アパートの建設時に利用したローンの支払いに影響がでてしまいオーナーが自己破産した、または業者との契約において所謂一括借り上げ(サブリース)に関して、契約どおり家賃の支払いが実行されないといった問題も多くなってきている。賃貸アパートのオーナー氏にとっては、相続税の改正により今までの対策が無効に成り兼ねない頭の痛い状況となった。

■相続税法の改正によって何が変わった?

本年度の改正では、相続開始前三年以内に運営を始めた場合には、貸付事業用宅地等の特例の適用を受けることができない。しかし、運営している賃貸アパートが事業的規模に該当する場合には、相続開始前三年以内に運営を始めても当該特例の適用を受けることができる。ポイントは二つ。取得時期ではなく、賃貸アパートを運営即ち貸し付けを始めた日が何時からかということ。もう一つは事業的規模だ。事業的規模とは「五棟十室基準」と言われているのだが、戸建て住宅で貸し付けている場合は五棟以上。賃貸アパートや賃貸マンションならば、一棟において十室(十部屋)以上が事業的規模に該当する。但し、これはあくまでも目安として考えて欲しい。実質的に判断されることもあるので、注意する必要がある。

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