五輪の暑さ対策でサマータイム導入検討 期待される効果と懸念点

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五輪の暑さ対策でサマータイム導入検討 期待される効果と懸念点

 2020年に行われる東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策として、サマータイムの導入が検討されている。大会組織委員会の森喜朗会長が、安倍晋三首相に導入を提案した。

 サマータイムとは、夏の間だけ時計の針を1時間進める制度をいう。夏は日の出の時間が早いため、サマータイムを導入することにより日中時間を有効活用できるとしている。特に、日本よりも緯度の高い欧米では午前3時ごろには明るいため、時間を進めることで活動時間を早め、午後を有効的に使う、冷房費を節約するといった目的がある。

 東京オリンピックは7月24日から8月9日までの17日間、パラリンピックは8月25日から9月6日までの13日間にわたって実施される。そのため、夏場の暑さ対策が懸念されており、その一環として、サマータイムの導入が検討されている。仮に1時間のサマータイムが導入された場合、本来午前9時スタートの競技ならば、8時の時間帯となり、より涼しい環境でのプレーが可能となる目算だ。

 実は、サマータイムが導入されるのははじめてではない。戦後のアメリカのGHQ統治下において、1948(昭和23)年から1951(昭和26)年の5月(昭和24年のみ4月)から9月の第2土曜日まで実施されていた。しかし、残業増加や寝不足を引き起こすなどとして国民からは不評であった。疲れで目が魚のように真っ赤になってしまうとして、マスコミからは「サンマータイム」と揶揄的に呼ばれた。

 このほか2000年代には、日の出の時間が早い北海道では、時計を動かさずに出勤時間を1時間早めるサマータイムが試験的に導入され、おおむね好評であった。

 サマータイムはすでに導入されている欧米でも、時間の勘違いによる飛行機の乗り遅れなどの混乱を招いている。導入するとしても北海道案のように、単に競技の開始時間の繰り上げにとどまる方が良いのではないだろうか。

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