秋津壽男“どっち?”の健康学「肩凝りは温めるべきか、冷やすべきか?運動不足などの血行不良が根本的な原因」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「肩凝りは温めるべきか、冷やすべきか?運動不足などの血行不良が根本的な原因」

 肩凝りは、腰痛とともに日本人の国民病と言えますが、そのメカニズムをご存じでしょうか。

 肩凝りとは、肩の血行が悪くなる血行障害です。ほとんど動かず同じ姿勢でいたため、血液の循環が悪くなり、筋肉に乳酸などの疲労物質をためてしまうのです。運動不足や偏った体の使い方など、要因はいくつかありますが、いちばん大きなものは「同じ姿勢を長時間続ける」ことです。

「一日中パソコンを見つめながらほとんど動かない」「テレビに釘づけになって同じ姿勢を3時間も4時間も続けて肩が凝った」など、こんな経験は誰にでもあるでしょう。 肩凝り予防策としては、肩を叩いたり、ストレッチで筋肉をほぐすことです。血行も改善され「イタ気持ちいい」状態となるわけですが、ここで今週のお題です。慢性的な肩凝りは「温める」か「冷やす」かどちらが効果的でしょうか。

 すでにおわかりの方もいると思いますが、正解は「温める」です。お風呂につかると、いつしか肩凝りが消えていることがありますが、これは肩が温められているからです。肩叩きは肩を叩くことにより温まり、血流をよくします。運動をすると肩凝りが軽くなるのも、体を動かすことで血流がよくなるからです。

 肩凝り解消の基本はまず「血流をよくすること」です。同じ姿勢でいる=血流が悪くなるのも、言いかえれば運動不足が原因なのです。ストレスがたまった状態で同じ姿勢でいると血流は悪くなりがちです。

 肩凝りのみならず腰の痛みや首の凝りも、温めるだけでかなりよくなります。温泉で肩凝りが治るのは文字どおり温浴効果です。温泉地につきものの指圧療法も血流をよくしてくれますが、指圧をせずとも、熱いタオルを肩に乗せたり首に巻くほうが効果的です。ストレッチを取り入れればさらに効果が上がります。

 しかし、一見、効果がありそうに思われる「マッサージチェア」は健康被害のリスクが高いと言えます。多くの人が強めのマッサージを好みますが、これにより圧迫骨折や内出血などを受けることがあります。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「肩凝りは温めるべきか、冷やすべきか?運動不足などの血行不良が根本的な原因」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 10/4号“どっち?”の健康学秋津壽男血行不良肩こり社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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