北朝鮮国内で幅広く売られている日本製品…制裁は“ザル法”だった!

週刊実話

北朝鮮国内で幅広く売られている日本製品…制裁は“ザル法”だった!

 2015年の北朝鮮の国家予算は、公式レートの換算で約7500万ドル(82億円)だったが、韓国銀行の推計では16年の実質GDP(国内総生産)が3兆1569億円と、予算規模とは不釣り合いなほど実体経済の方が大きい。

 この理由は、朝鮮労働党や軍に独自ビジネスがあるからだ。そして庶民も「人の数だけウラ稼業がある」(北朝鮮ウオッチャー)という具合に、社会主義を建前としながら「中産階級が生まれている」(同)が、その要因として挙げられる。

 「裏稼業として平壌の住宅街には看板なき『ケーキ屋』まであります。社会主義計画経済を標榜する北朝鮮では、人を雇うことは資本主義の”搾取”を意味する反社会的行為ですが、現実には、民間資本の食品や衣服といった小売業が育ちつつあり、それら原材料を売買する卸売業も成立し、アパートには原材料を保管する隠れ倉庫業や、軍のトラックを借りて配送を行う運送業まで登場しています。国連の経済制裁は効いておらず、市場経済が芽吹いているのです」(同)

 日本から見ると国際的に孤立し、世界最貧国という印象が強いが、北朝鮮と国交を結ぶ国は164カ国に達しており、国交がない米国、日本、フランス、イスラエルなどはむしろ少数派だ。

 北朝鮮による核実験を受け、日本は2009年6月から北朝鮮への輸出を全面禁止しているが、訪朝したジャーナリストによると、国内では多くの日本のブランド商品が流通している。中でも目を引くのは、缶コーヒーやフルーツドリンク、フレーバーミルクなどが平壌のホテルやバー、市場をはじめ各所で幅広く売られていたことだ。

 「製造元名を見ると『ポッカのシンガポール子会社』となっていました。ポッカシンガポールがシンガポールで製造した缶コーヒーは、シンガポールに拠点を置く『OCNシンガポール』と、その事業を引き継いだT社が販売業者となり、北朝鮮に輸出していたことが分かっています。OCNとT社は、北朝鮮のフロント貿易企業に化けていました。両社は、今年3月に国連の安全保障理事会に提出された最終報告書で、国連の制裁決議に違反し、北朝鮮にぜいたく品を輸出したなどとして追及されています。さらに両社の取締役であるシンガポール人は7月、国連の制裁破りに関連した161の罪で起訴されているのです」(同)
 にもかかわらず、なぜ今もポッカの缶飲料は北朝鮮に流入しているのか。

「シンガポールは17年11月から対北全面禁輸の制裁措置を取っていますが、北朝鮮と国交のある中東諸国などを経由し、北に流入しているのです」(同)

 対北朝鮮制裁は“ザル”だったのだ。

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