オゾン層は回復に向かっている。気候変動問題に対する希望であると国連レポート (1/3ページ)
オゾン層の状態について4年に一度報告するレポートの最新版である『Scientific Assessment of Ozone Depletion: 2018(2018年度版オゾン層破壊の科学的評価)』が公表された。
それによると、大気中のオゾン層破壊物質の濃度は減少を続けており、2014年の調査時点と比べてもさらに改善が見られたそうだ。
・地球の生態系を保護するオゾン層
オゾン層は、大気中でオゾンの濃度が高い層のことだ。成層圏(約10~50km上空)に約90%存在しており、高度約25 kmで最も密度が高くなる。
酸素原子3個からなるオゾン気体は、太陽からの有害な紫外線を吸収し、地上の生態系を保護している。 また、成層圏のオゾン層は、紫外線を吸収することで、成層圏の大気を暖める効果があり、地球の気候の形成に大きく関わっていると考えられている。
・回復を続けるオゾン層
成層圏オゾンは、2000年以降毎年1~3パーセントの割合で回復を続けており、このままのペースが続けば、2030年代までには北半球と中緯度のオゾン層は完全に回復する見通しだ
2050年代までには南半球、2060年代までには極地でも全快すると予測されている。