ターミネーターのT-1000からインスピレーションを受けた液体金属ロボットが開発中(中国) (1/2ページ)
映画『ターミネーター』シリーズに登場する液体金属で作られた殺人ロボットT-1000は、当時のSFファンに大きな衝撃を与えた。
だがSFの世界ではなく、現実の世界にもT-1000からインスピレーションを受けた液体金属ロボットが登場した。
中国の研究者らが開発したそれは手のひらサイズで、プラスチック製の車輪、小型リチウム電池、液体金属で構成されており、自分のボディの形状を自在に変化させながら移動することができる。
その目的は人の立ち入れない場所での災害救助や病気治療だそうだ。
・T-1000の救命ロボットバージョン
「『ターミネーター2』のT-1000にインスピレーションを受けました」と開発者の1人である蘇州大学の李相鵬教授は話す。
プロジェクトが開始されたのは6年前のことだ。きっかけになったのは、液体合金に高導電率・表面張力の操作性・高い柔軟性といったユニークな特性があることが明らかになったことだ。
研究チームの1人、オーストラリア・ウーロンゴン大学の唐詩楊氏によると、こうした性質を利用すれば、自由に形状を変化させられる自己再構成式ロボットを開発できるはずなのだという。
彼が目指すのは、10歳のときに映画で観たT-1000のように柔軟に形を変えるロボットだ。
Terminator 2 - running (T1000) HD
このロボットは恐ろしい殺人ロボットT-1000からインスピレーションを受けてはいるが、開発者が目的としているのは、もちろん殺害ではない。
「将来的には、地震の被災者の救助ができるような液体金属製ソフトロボットを開発したいと思ってます。形状を変えてドアの隙間に入り込んだりと、人間の行けない場所にも行けるこれならぴったりでしょう」と唐氏は言う。