悪ふざけでナメクジを生で食べた男性が寄生虫に感染。8年の闘病の末に死亡(オーストラリア) (1/4ページ)
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オーストラリア、シドニー出身のサム・バラードさん(当時19歳)は、2010年、自宅の中庭で仲間たちとわいわい飲んでいた。
庭にいたナメクジを見た仲間の1人が、サムさんに「食べられる?」とけしかけたところ、彼は「簡単さ」とばかりにナメクジを丸飲みした。
ところがこのことがきっかけで、サムさんは8年間苦しみ続け、昏睡状態に陥り、ついには亡くなってしまったのだ。
原因はナメクジに寄生していた広東住血線虫によるものだ。
・ちょっとした悪ふざけが悲劇を生む
当時ラグビーの選手だったサムさんは、少々やんちゃなところがあったという。
「同世代の男の子たちが集まってお酒を飲んでいたんです。そのテーブルにナメクジが這ってきて、『これが食べられるか?』と誰かがけしかけました」と母親のケイティさんは、7ニュースシドニーのインタビューに答えている。
「男の子ってそういうところがあるでしょ」
それは特に他意のない、無邪気な悪ふざけだった。・広東住血線虫に感染
ところが、そのナメクジを飲み込んだサムさんは、広東住血線虫に感染してしまう。
広東住血線虫の終宿主はネズミであるが、中間宿主はナメクジやカタツムリなどである。こうした生き物に直接接触したり、付着した野菜などをよく洗わずに食べてしまうと人間にも感染する。
大抵の場合は軽度な症状で済むが、バラードさんのように幼虫が脳に入り込んでしまうと、髄膜炎を引き起こし重症となる。
このために彼は1年以上も昏睡状態に陥った。意識が回復してからも麻痺が残った。そして、ついには命を落とす結果にもなった。