『相棒』衝撃の“シャブ山シャブ子”に「差別を助長」と指摘も…

まいじつ

(C)TeodorLazarev / Shutterstock
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11月7日放送のドラマ『相棒season17』(テレビ朝日系)第4話に登場した、“シャブ山シャブ子”と名乗る女性に大反響が起こっている。

ドラマで登場したこの女性は薬物依存症という設定で、ボサボサ髪にヨレヨレの白Tシャツ、短パン姿で登場。白昼の公園で、ハンマーを手に刑事を撲殺。奇声を発しながら高笑いする様子があまりに真に迫っていたため、わずか1分ほどの出演時間にもかかわらず、視聴者から「怖すぎる」「トラウマになりそう」といった声が上がるほど強烈なインパクトを残した。

その一方で12日、ニュースサイト『プレジデントオンライン』で、精神科医・松本俊彦氏が「差別を助長する恐れがある」と指摘。松本氏は医療関係者から「あのシーン、ヤバいよ」と連絡を受けて『相棒』を視聴したらしいが、松本氏によると、“シャブ山シャブ子”は「ただのゾンビ」「20年あまり薬物依存症の治療に関わってきましたが、率直に言って、あんな覚せい剤依存症患者はいません」と設定を問題視している。

さらに「薬物依存症ではなく、別の精神障害に罹患している設定だったらどうだったでしょうか。恐らくヘイト表現という批判が噴出したはずです」「ところが、薬物依存症だとなぜか許されてしまう。そこに憤りを覚える」と強い苦言も述べている。

そして松本氏は、薬物依存症もまた、他の精神障害と同様、精神保健福祉法や国際的な診断分類にも明記されたれっきとした精神障害であるとコメント。それなのに、日本では、薬物依存症患者を「犯罪とする見方が優勢」と嘆いた。

演出にツッコむのは野暮?

しかしネット上では、松本氏に一定の理解を示す声も一部ありながら、

《精神障害者はなりたくてなったわけではない。でも薬物依存者は自ら薬物を摂取してそうなったんでしょ?》
《中毒者の恐怖をあおって薬物の怖さを知らしめるのは有効な対策だと思う》
《薬物依存擁護みたいな発言はやめた方がいいと思う。怖さを伝えることが重要》
《薬物中毒者への偏見はあって当然だろ》
《誇張だって分かってるよ。ドラマにそんなこと言い出すのは野暮だ》

などといった多くの異論が噴出している。

今年4月期には、医療ドラマ『ブラックペアン』(TBS系)の劇中で描かれた治験コーディネーターが、実際のものとは全く異なるとして、臨床薬理学会が苦言を呈したこともあった。それ以前にも、専門家から現実との乖離を指摘されたドラマは挙げればキリがない。

しかし、視聴者大半はフィクションと知って楽しんでいる。ネットで古くある定番ツッコミ「ネタにマジレスカッコ悪い」と言われても仕方なさそうだ。

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