サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「高素質馬ベルスールが巻き返す」 (1/2ページ)
2歳牝馬の総決算ともいうべき阪神ジュベナイルFが今週のメイン。クラシック第1弾の桜花賞と同じ舞台、距離で争われる競馬だけに、ブエナビスタ、アパパネなど、ここで勝った勢いをそのままに桜花賞、オークスで勝ち負けする馬は少なくなく、ファン必見のGIと言っていい。
ただ、牝馬の多くは消長が激しく、これまでの成績から有力視されている人気どころが「あれっ」と思うほどもろく、敗れ去ることも少なくない。
それはデータをひもとけば、はっきりしていて、馬連が導入された91年以降、過去27年間、1、2番人気馬のワンツーで決まったのは、わずか1回のみ。大きく荒れることは少ないが、だからといって本命党向きの簡単なレースでないことも確かだ。
では今年の顔ぶれを見てみよう。一昨年の覇者でオークス馬となったソウルスターリングの妹シェーングランツが最右翼だろうか。前走、アルテミスSの勝ちっぷりは鮮やかで、姉以上の迫力を感じさせる。そのアルテミスSで僅差2着のビーチサンバも素質はかなりのもの。同じ前哨戦のファンタジーSをあっさりモノにしたダノンファンタジー、そして新馬──特別を連勝したクロノジェネシスといったところがシェーングランツに続く有力勢ということになろうか。
しかし他にも能力を秘めた馬は少なくない。狙ってみたいのはそんな1頭、ベルスールだ。
前走のファンタジーSで2着。前記した有力馬のダノンファンタジーに遅れること1馬身4分の3。あっさり差されたのだから一見すると完敗、力負けの印象を受けるが、見捨てるわけには断じていかない。
新馬戦を勝ち上がってから3カ月ぶりの実戦。前走比12キロ増の体重で出走だったことを思うと、むしろよく頑張ったものと、あらためてその素質の高さを見て取るべきだ。
道中、引っ掛かる場面もあって、リズムよく走れてはいなかった。これもレース間隔があいていたからで、直線は失速してもおかしくなかった。それでも踏ん張り切ったのだから、評価すべきである。
「ガス抜きできたのだろう。中間の稽古の動きが実にスムーズ。