〈目からウロコの健康術〉 破裂したら助かる確率は25%! 突然死を招く「大動脈瘤」の怖さ (1/3ページ)

週刊実話

 5年前に俳優・阿藤快さんが、「大動脈瘤破裂」で亡くなっている。享年69歳だった。また今年2月21日、同じく俳優の大杉漣さんも急性心不全、「腹部大動脈瘤破裂」で亡くなっている(享年66歳)。

 阿藤さんは「背中が痛い」と訴えて病院に搬送されたが、大動脈に出来た瘤の破裂によって胸腔内に血液が流れ込み、そのまま帰らぬ人となった。倒れる直前までドラマに出演するなど元気な姿をみせていたというから、まさに突然死だった。

 一方の大杉漣さんも、テレビドラマの撮影に参加、その後、共演者らとホテルに戻って飲食し、自室に戻ってまもなく激しい腹痛を訴えた。共演者に付き添われ直ちに病院へタクシーで向かったが、3〜4時間後に急逝、帰らぬ人となった。名脇役として脂の乗り切った年齢での突然死に、多くの人が衝撃を受けた。

 大杉さんを襲った急性心不全とは、簡単に言うと、急に心臓が動かなくなった状態を指す。心臓が止まる原因は、心臓そのもの、あるいは大動脈などの心臓以外の循環器に異常が発生したためであることが多い。

 阿藤さんも大杉さんも「背中痛」や「腹痛」を激しく訴えた事で、救急外来に早めにアクセスできたにもかかわらず、「腹部大動脈瘤破裂」で亡くなったと推測されている。

 東京ベイ・浦安市川医療センターの渡辺弘之医師が、この病気の恐ろしさを語ってくれた。
「腹部大動脈瘤は、破裂してから病院に向かうと、到着するまでに約半数の人が亡くなります。亡くならずに病院にたどり着いたとしても、さらに半数の人が病院で亡くなります」

 つまり破裂したら、助かる確率は25%しかないとうことだ。大動脈は身体の真ん中を通る最も太い動脈で、心臓上部から出て下腹部に至る、直径2センチほどのホース状の血管だ。この太い血管にできた瘤が大動脈瘤だ。

 瘤は大動脈のどこにでもできるが、足に向かって二股に分かれる手前の腹部に出来ることが多い。瘤はでき方によっては、3つのタイプがあるが、これらのどれもが、破裂した血管の外側に血液がじわじわ漏れていく可能性があり、突然死の危険度が跳ね上がる。

 しかも恐ろしいことに、大動脈瘤は発見が難しいという。

「〈目からウロコの健康術〉 破裂したら助かる確率は25%! 突然死を招く「大動脈瘤」の怖さ」のページです。デイリーニュースオンラインは、エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧