甥や姪が相続人となるケースとその注意点。甥や姪に相続させない方法は?

心に残る家族葬

甥や姪が相続人となるケースとその注意点。甥や姪に相続させない方法は?

筆者が友人の主催する新年会に参加した際、初対面の方から相続に関する質問を受けたのだが、その後いつの間にか相続税相談会になってしまった。新年早々何を話しているのかと自問自答したものの、結局は質疑応答を繰り返すことになった。そのなかで、ある方が自分の甥と姪に相続させたくないので、どうしたらいいのかと聞いてきた。理由は、殆ど会ったこともなく、素性も分からない人物に自分の財産を相続させたくないからだそうだ。

■甥や姪に相続させない方法とは?

結論としては、相続を放棄させるか遺言書を作成し、その旨を当該遺言書に記載する方法が合理的であり法的にも問題ないと回答した。回答を得たその方は納得したようで、早速手続きをとるとのことであった。状況によっては相続人となり得る甥と姪だが、一般的には相続人としてはあまり認識されていないのではないだろうか。

■相続人には順位が存在する。

相続人には順位(民法第887条他)がある。第一順位は亡くなった人の配偶者と子供だ。第二順位は亡くなった人の直系尊属(両親並びに祖父母)となる。第三順位は亡くなった人の兄弟姉妹となる。何等かの理由で第一順位の相続人が居ない場合、第二順位の相続人が相続をし、第二順位の相続人が居なければ第三順位の相続人が相続することになる。甥と姪は第三順位に相当する。

甥と姪が相続権を有することになる場合は、第三順位の亡くなった人の兄弟姉妹が既に亡くなっていて、他の相続人も同様に亡くなっている場合にのみ代襲相続(民法第889条他)として相続権が得られる。

甥と姪が相続人となると、注意しなくてはならないことがある。まず、遺留分(民法第1028条他)が認められないということだ。次は、相続税の二割加算(相続税法第18条他)が挙げられる。

遺留分とは、民法に規定する相続人が最低限相続できる財産を言う。財産の二分の一を上限として、他の相続人一人について財産が相続される等公平性を欠く相続を防ぐ意味もある。

また、相続税の二割加算とは相続第一、第二順位以外の相続人に対して、相続税額に二割を乗じた金額が加算される。即ち、通常の相続税額の1.2倍の税額を納付しなくてはならなくなる。

最後は、再代襲は認められないことだ。相続第一順位の子が既に亡くなっていた場合、子の子、つまり孫が代襲相続人となることができる。この場合だと、順位の低い兄弟姉妹並びに甥と姪には相続権は発生しないことになる。

前述の方は、独身であり両親も既に亡くなっていて、老齢な姉が一人いるという。その姉とは数十年に渡り合うことはなく、甥と姪とも同様に長期間会っていないとのことであった。相続放棄を含め、長期間会っていない親族と相続について協議することは困難かもしれないが、弁護士や税理士に依頼すればより良い結果に繋がるはずだと考える。

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