ソ連のスパイとして活動し、日本で逮捕され死刑となったリヒャルト・ゾルゲ (2/2ページ)

心に残る家族葬



■リヒャルト・ゾルゲの墓標に刻まれた文字

ゾルゲは体格が良く、栗色の巻き毛と鋭い眼光が魅力的な男で女性にモテた。夜の銀座で派手に飲んでいたゾルゲとつきあった女性は多い。

1933年、ドイツ人が営む銀座の酒場「ラインゴールド」でホステスをしていた24歳の石井花子はそこで40歳のゾルゲと出会い、6年後のゾルゲの逮捕までその交際は続いた。ゾルゲが死刑になった時、遺体はドイツかソ連に戻されたものと思われていたが、実は両国から引き取りを拒否され、東京の共同墓地に土葬されていたのだ。戦後、それを知った花子は占領下の東京で懸命にゾルゲの遺体を探し、ゾルゲの死から5年後の1949年、ついにゾルゲの遺体を発見。多磨霊園にゾルゲの墓標を建てたのである。ゾルゲとの思い出を綴った著者「人間ゾルゲ」を執筆した石井花子は、今、そこでゾルゲと共に眠っている。二人は正式に籍は入れていなかったが、墓標に刻まれた「妻」という文字から、花子の固い意志が伝わってくる。

■時代が変わっても暗躍し続けるスパイ

1980年代、ある製薬会社で受付をしていた知人の話によると、ある日、一人のロシア人男性が、サンプルを貰うために訪ねてきたという。当時、スパイ小説にはまっていた彼女は、流暢な日本語を話す鳶色の髪と瞳のその男性を見て「こ、これはスパイかも」と思ったそうだ。そして実際、スパイだったという事が後に判明し、今もその時の事が忘れられないと言う。その男がその後どうなったのかは知るよしもないが、今もスパイは、世界中で暗躍している。

「ソ連のスパイとして活動し、日本で逮捕され死刑となったリヒャルト・ゾルゲ」のページです。デイリーニュースオンラインは、海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧