葬儀社のテレビドラマ「赤い霊柩車シリーズ」から垣間見える京都の葬送儀礼 (1/2ページ)

心に残る家族葬

葬儀社のテレビドラマ「赤い霊柩車シリーズ」から垣間見える京都の葬送儀礼

「葬儀屋探偵明子シリーズ」は今は亡きミステリー作家の山村美紗が1990年から1996年にかけて発表した推理小説シリーズである。ヒロイン石原明子の父親は京都でタクシー会社と葬儀社を経営しており、特に葬儀社は儲かっていた。

■葬儀屋探偵明子シリーズのあらすじ

東京の大学の薬学部を卒業し、東京で就職していた明子は父の仕事には全く関わらず、ゆくゆくは恋人で同じ大学の医学部を卒業した研修医の黒沢秋彦と結婚するつもりであった。ところが、父親が急死したため、仕方なく京都に帰ってきた。

当初は半年くらい京都にいて、会社を整理し、片付いたら東京に行くつもりであったが、実際にやってみると、多くの従業員や借金を抱えている上、従業員と一緒に仕事をしていると、情も湧き、簡単に会社を整理、解散することは難しくなり、東京へ行くことができなくなってしまった。黒沢と明子の関係はというと、黒沢が京都に来たり、明子が東京に行って会うといった遠距離恋愛を継続している。

■殺人事件が起こり、その葬儀を石原葬儀社が請け負うのが通例

そして、明子の周りでは何故か殺人事件が多発し、犠牲者の葬儀を「石原葬儀社」が請け負うことが多く、必ず葬儀の場面があって、京都と東京の葬儀の違いなどの説明もある。

葬儀については「石原葬儀社」には秋山という36歳で独身の番頭さんがいて、仕事熱心で葬儀全般一切を取り仕切っているほか、ベテランの社員が多く、依頼人の評判も悪くない。殺人事件は明子が事件に首を突っ込み、得意の推理力を発揮し、黒沢や京都府警の狩矢警部の協力を得て、解決に導いていくというのが、毎回の筋立てである。

■花輪や受付、香典袋など東京と京都の葬儀の違い

小説で書かれている東京と京都の葬儀の違いは、東京では葬儀場の入口に花輪を立てるが、京都では青い葉だけの樒に提供者の名前を書いて並べる。葬儀の受付も東京では会葬者はすべて住所と名前を書き、受付係が香典袋の中を開いて金額を確認して書き入れるが、京都では香典袋はそのまま糸を通して集めておき、喪主に渡すことになっている。東京の方が後の整理が楽で合理的だが、京都では金額を改めるのは、不作法と言うことなのだろう。

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