中世のトイレって・・・イギリスで発見された12世紀のトイレを詳しく分析したところ、利用者が特定できた! (2/4ページ)
・3つの穴が開いた共用便座?さらに利用者の身元が!
通常便座といえば一人掛け、つまり1つの穴が開いていれば十分だが、3つの穴があるこの遺物は共用便座とみられている。なお、加工はわりと雑で斧でざっくり作られたようだ。
image credit: Museum of London Docklands
じゃあ場合によっては3人一緒に…?という疑問もわくがそこはあいまいだ。
12世紀のイギリスのトイレのエチケットは不明な点が多く、複数の人が並んで用を足していたかも、男女別になっていたかどうかもまだ定かではない。
しかしこのような便座は過去にも国内の城などでいくつか見つかっている。
この点についてロンドンの考古学博物館のキュレーターであるケイト・スナムールさんは以下のように話している。
「その頃の人々は現代人ほど徹底した清潔志向ではなく、お互いの体についてもオープンだったかもしれません」
というわけで具体的な使用法は未だ不明だが、保管の間にすすめられた別の調査によって驚くべき見解が明らかになったという。
なんと熱心な専門家たちが「かつてこの板にお尻をつけて頻繁に用を足したと思われる複数の人物」の身元を特定したというのだ。
・発見場所の歴史をさかのぼり利用者を特定
スナムールさんによると、発掘当時この板は、地下河川であるフリート川付近の汚水槽の上に横たわっていたという。
そこで専門家たちはその周辺の歴史をさかのぼれば、この便座をよく使っていた人物がわかるかもしれないと考えた。
そして過去を地道に調べて行くと、およそ900年前、ちょうど板が見つかったあたりに住居があったのをつきとめた。