令和で話題の万葉集に「浮気された恋の歌」が。生々しくて共感必至 (1/5ページ)
新元号「令和」が発表され、その元ネタとして話題になっている万葉集。「令和」のもととなった梅の花の歌からも、「万葉集ってなんとなく風流な感じの歌が多そう」と思っている人も多いのでは?
もちろんそうした歌も多いけど、実は激しく生々しい恋の歌もけっこうあるらしい! 古代の歌だからと侮るなかれ。「いつの時代も恋愛って変わらないな~」と思えるものばかり。
今回のはいつもと少し趣向を変えて、万葉集から共感必至な恋の歌を5首ピックアップしてご紹介!
■会いたくて会いたくて震えるけど……
まずは1首目!
相見ては 面隠さるる ものからに 継ぎて見まくの 欲しき君かも (巻十一・二五五四)
(古橋信孝・森朝男/2008 『万葉集百歌』青灯社)
現代語訳はこんな感じ。
逢うと恥ずかしくて顔を隠してしまうものだが、逢えないとずっと見ていたいあなただよ。
(古橋信孝・森朝男/2008 『万葉集百歌』青灯社)
離れているときは会いたくて会いたくて震えるのに、実際に会うと恥ずかしくて、相手の顔もまともに見られない……。
片思い真っ最中のピュアッピュアな女性たちから「わかる~~~!」って共感の声が聞こえてきそうなこちらの歌。恋したての照れくさい気持ちを見事に表現しているよね。
相手に会いたくてたまらないのに、いざ会うと照れくさくなるあれ、なんなんだろう。まさに恋愛ビギナーあるある。
一方、打算や駆け引きを覚えた大人の女性たちからは「こんな時代もあったわね。ふっ……(乾いた笑い)」なんて声が聞こえてきそう。だけど手練れになればなるほど恋愛ってうまくいかなくなったりするから、ムズカシイ……。
ちなみに万葉集における「君」とは、女性が男性を呼ぶときの言葉。つまりこの歌は「好きな男性を思う女心」を詠んでいるのだとか。