物理学者が「生命は2次元世界でも生存できる」ことを試算(米研究) (3/4ページ)

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Luccy_lapka/iStock

・生物の神経ネットワークの複雑性

 だが彼の理論でより印象的なのは、2+1次元の世界でいかにして複雑性が生まれるかという点だ。それは生物の神経ネットワークの複雑性に着目したもの。生物の神経ネットワークのさまざまな特徴は、2次元空間でも再現可能なはずだというのだ。

 そうした特徴の1つには、少ない数のステップで複雑なネットワークの移動を可能にする結合パターン、すわなち「スモールワールド特性」がある。
 

 また脳のネットワークがレジームとして機能している点も挙げられる。それは高い活動と低い活動との微妙なバランスをとっており、これを「臨界挙動」という。

 また、この特徴は、モジュール型の階層を持つネットワーク(小さなサブネットワークが結合して形成される大きなネットワーク)でしか実現できないと思われるものでもある。

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arxiv.org/abs/1906.05336

・2次元世界で生物の複雑性は生まれるか?

ここでスカーギル氏が問うのは、スモールワールド特性、臨界挙動、モジュール型階層といった特徴は2次元の世界にはないのだろうか? ということだ。

 ぱっと見はありそうもない。2次元のグラフでは、ノードが互いに交差する辺で結合されるからだ。

 だが、それでもスカーギル氏は、2次元ネットワークでもモジュール型に構築することが可能で、そこにきちんとスモールワールド特性が備わっていることを証明した。2次元ネットワークでも複雑な挙動を生み出せるということだ。
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