ビートたけしの名言集「本番までの待ち時間に施す便所の落書き」 (1/2ページ)
今回は少し趣向を変えて、楽屋に入ってから本番を迎えるまでの“ビートたけし的仕事の流れ”について書かせてください。
番組によってさまざまですが、おおむね収録が始まる1時間半程前に楽屋へ入ります。基本、殿は時間厳守な方で、遅刻することはまったくありません。
ちなみに「家にお化けが出た」といった、理由にならない理由で収録現場に来なかったことは過去、何度かありましたが‥‥。話を仕事の流れに戻しましょう。
楽屋に入った殿はまず、電気カミソリでヒゲを剃ります。そして、剃り終わると同時に付き人からおしぼりを受けとり、ゴシゴシと顔を拭きます。おしぼりを受け取る時は付き人に、「おう、サンキュー」と、礼を述べたりいたします。
で、その後はイスに座ると、その日の進行台本や番組の資料をじっくりと時間をかけて読み出します。
それらの作業を終えると、殿は決まって、
「北郷、何か変わったことはあったか?」
と、聞いてきます。殿の言う「変わったこと」とは、世間で起きているニュースの他に“たけし軍団周りの何かしらのくだらないニュース”も含んでいます。ですから、「殿、そういえば○○さんがライブですべりました」「殿、○○さんがツイッターで○○ともめてます」等々、少しばかり笑えそうな、やや意地の悪い、ミニマムな軍団ニュースをしっかりと報告いたします。中でも殿は「誰誰がすべった」的な話が大好きです。
また話を楽屋へ戻します。本番を待つ間、楽屋内での話題といえば、「本日のメジャーリーグの結果」「最近の格闘技の感想(主にボクシング)」「次回の北野映画の話」「殿が今書いている小説のあらすじ」あたりが定番です。
つい先日も、
「次の映画の○○の役よ、○○○さんでやろうかと思って」
と、サラッと教えてくれたりしました。で、ここ最近、殿が本番までの待ち時間にハマッている遊びが“便所の落書き”です。
説明します。楽屋を出て、少し離れたトイレに向かう途中、廊下の壁に〈『○○○』出演者の皆様。トイレはこちら⇒です〉と、初めて番組に呼ばれた出演者のために、丁寧な貼り紙が貼ってあることがあります。
殿はその貼り紙を見つけると、「おい。