横浜・筒香、西武・秋山、広島・菊池 「メジャー挑戦」裏交渉 (2/2ページ)

週刊実話

あと2年引き止めてプレーさせるより、目の前にある20億円を取った方が得策。クールな女性経営者からすれば、しごく当然の判断でしょう」(DeNA幹部社員)

 しかし、これだけでは、ベイスターズファンの反発は必至。そこで南場オーナーが企図したのが、西武から海外FAの行使を表明した秋山の獲得なのだ。

 秋山は横浜DeNAの準フランチャイズで、二軍の本拠地がある横須賀市の出身。横浜創学館高校(旧横浜商工高)では1年からレギュラーで活躍し、甲子園出場は果たせなかったものの、神奈川県内には今なおファンが多い。懸念される横浜高OBの“筒香ロス”を、横浜商工OBの秋山でカバーという巧妙な戦略だ。

 秋山の今季年俸は2億3490万円(推定)。メジャー移籍の一番の目的は、実績(シーズン最多安打保持者)に見合う年俸ゲット。西武では「自分の年俸が過小評価されている」という不満が背景にある。

 なるほど、米メディアでは「2年総額8億円」の評価額が報じられており、ことは思惑通りに進んでいた。ところが、秋山は10月31日に国際野球大会「プレミア12」前のカナダとの強化試合で死球を受け、右足薬指を骨折。契約金アップを目論んだはずが、本番前にリタイアするという悲劇に見舞われた。これでメジャー球団がこぞって尻込みすれば、筒香のポスティングマネーで逆転できるというしたたかな計算だ。

 一方、広島の菊池だが、国内FAの行使を断念したことで、原辰徳監督らが期待する巨人移籍は消滅した。とはいえ、これで1年待って海外FA権を行使してメジャー挑戦と考えるのは短絡すぎる。

 なぜなら、本人、球団共にポスティングでのメジャー移籍は否定していないからだ。つまり、「プレミア12」が終わるまで封印し、その後の容認に含みを持たせたわけだ。

 ポスティングの申請期間は11月1日から12月5日まで。この間に広島がポスティング移籍を認めて告知すれば、30日間の交渉期間が設けられ、菊池はMLB全球団と交渉ができる。

 横浜同様に、広島にとっても20億円の補償金は大きな魅力で、来年の国外FAだけは回避したいのが本音。かと言って、巨人移籍だけは絶対に許し難い。
「国内FAなら、広島コーチ時代に菊池を育てた石井琢朗コーチが新加入した巨人に持っていかれる可能性が高い。ならばメジャーへ送り出そうという声が球団内で強まっている。それを知ってか、原監督は菊池を断念、FA補強を楽天・美馬学投手とロッテ・鈴木大地内野手に絞り込んでいる」(広島担当記者)

 プレミア12は、いわば、菊池にとって自身をアピールする“セレクトセール”(公開セリ市)。同大会の決勝戦(11月17日)を待ってポスティング移籍に舵を切り、ストーブリーグの主役に躍り出る――。

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