台風中継の”台本”疑惑に阿部祐二が反論「風には強弱がある」

デイリーニュースオンライン

 DMMニュースをご覧のみなさま、こんにちは。

 阿部祐二です。

 ここでは、情報番組で数々の事件取材を行ってきた僕が、テレビには映らない事件現場の裏側や、自分の身にふりかかった事件のエピソードをお届けしてきます。

僕は現場の嫌われ者!

 まずリポーターは事件が発生すると何をするかというと、知り合いの記者に片っ端から電話をかけて、共有できる情報を探します。もちろん特別な話は教えてくれませんが、被害者の素性など、一部の情報は教えてくれるかもしれない。ほかの方がどこまで取材を進めているかを確認する意味もありますし、リポーターや記者は持ちつ持たれつの関係で成り立っている面もあるんです。ですが、僕の場合はなかなか情報がとれない。正確に言えば、他から情報を教えてもらえないのです。

 そこで僕は、事件取材は被害者と加害者の素性を親族や知人、友人から聞き出し、なぜ事件が起きたのかを探ることに重点を置いています。つまり、現地の一般の方々といかに仲良くなり、情報を聞き出すかが勝負となるわけです。

 僕を含めリポーターや記者はそれを目的に奮闘するわけですが、ありがたいことに、僕が現場に行くと向こうから人が寄ってきてくれる。ほかの記者さんたちが捕まえた人でも、俺を見ると「あ、阿部さんだ!」って来てくれるんです。これがリポーターを20年もやってきた証なのですが、ほかの記者さんからしてみればいい気がしないのは当然ですよね。「阿部はズルい」なんていう記者さんもいるほどなんです。

 だから僕には、情報を共有できる仲間なんていません。逆に、僕の足元をすくおうとするような方たちはいるかもしれないですね。

「台風中継には台本があるのかい?」

 今日の本題はここからです。

 Googleで僕の名前を打ち込むと、検索予測で「台風」と出てきます。2005年9月、大型の台風14号が九州を直撃した際、『ザ!情報ツウ』(日本テレビ系列)のリポーターだった僕は、暴風域に入った鹿児島市で風速45メートルの強風と雨の中、立っているのがやっとという状況で台風中継をしました。

 強風に煽られながらも、しゃがみ込むなどしてリポートを終えた僕は、風がパタリと止んだので立ち上がり歩いてフレームアウト(カメラの前から出た)しました。するとこの行為が、「本当は風が強くないのに演技していた」などと批判されることになったんです。

「むふふ。さすがは元役者。名演技だったよ」

「台風中継には台本があるのかい?」

「おおげさだよな!」

 ネットユーザーだけではなく、テレビ局関係者のなかにも批判をしていた人はいたようです。ですが、台風は常に一定の強さで風を吹き付けているわけではありません。強弱があり、時に風が止むことだったあるんです。僕は風が止んだ瞬間に歩いただけなんですが。

 この映像がYouTubeにアップされ、現在までに150万回近くも再生されています。ネット上では、「放送事故」や「やらせの決定的証拠」などと槍玉にあげられています。僕は反論しないし、削除依頼も出さないので、この映像は永遠にネット上で生き続けるでしょうね。当時のスタッフたちは、「風が止んだのに、ずっとしゃがみ込んでたら逆にウソですよ。阿部さんがやらせを否定しないなら僕らが否定します」と、僕をかばってくれていました。まぁ、あの映像のおかげでバラエティからのオファーもありましたし、今さら否定するようなことでもないのですが。

 これは最たる例で、僕はよくも悪くも常に的になっているんです。でも、それでいい。記者仲間を作るのもいいかもしれませんが、独自のリポート力をつけるためにも、僕はこれからも現場主義で全国を走り回り、迅速かつ正確に視聴者の方々に伝えていきたいと考えています。

 リポーターや記者の世界は過酷な世界です。ですが、それも含めて僕はやりがいがあると感じているんです。これから僕が20年間かけて見てきた〝事件〟の裏側を、皆さんに伝えていこうと思います。

 是非また来週この現場で会いましょう!

著者プロフィール

テレビリポーター

阿部祐二

1958年生まれ。東京都板橋区出身。阿部ちゃんの愛称で親しまれ、テレビ番組『スッキリ!!』のリポーターや俳優として活躍中。

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