ディスコに太眉、セーター首巻き…ゆとり世代「バブルブーム」のなぜ

デイリーニュースオンライン

0927_bubble.jpg

 いま、ファッションの世界では80年代、90年代のリバイバルがブームだ。当時流行ったセカンドバッグが「クラッチバッグ」と名を変えて復活。セーターやカーディガンを肩から掛け、袖口を胸元でゆるく結ぶ「プロデューサー巻き」も再ブレイクするなど、“バブルブーム”が本格化している。

 女の子たちの間でも、近年主流だった“ゆるふわナチュラル系”がやや勢いを落とし、ボディコンを彷彿させる「ペンシルスカート」や、シャツをボトムにインするタイトな着こなしが流行中。

“華やかな時代”を知らない20代がブームを後押し

 そのバブルブームが、エンタメ界にも波及している。今年4月、大阪・キタにディスコ「マハラジャ」が復活した。バブル経済の崩壊とともに下火になったディスコブームの象徴。バブル期そのままの豪華な内装を再現し、800人収容のダンスフロアにはあの「お立ち台」もある。

 バブル時代をネタにするお笑いタレントも登場。バラエティ番組『ナカイの窓』(日本テレビ)でブレイクした女芸人・平野ノラだ。「肩パッド入りの派手なボディコンスーツ」に「ソバージュ」「太眉」「真っ赤な口紅」という懐かしすぎる80年台スタイルで、バブル期の流行語やあるあるネタを炸裂させる。

 この平野ノラ、とくに20代を中心に人気を博している。ツイッター上での若いファンとの交流がその事実を物語る。また、復活したマハラジャにも20代の姿が多いという。昨今のバブルブームを楽しんでいるのは、「あの頃に戻りたい」という青春懐古のバブル世代(40代〜50代)ではなく、どうやらバブルを知らない20代のようなのだ。

 9月某日のある夜、六本木のマハラジャで、若い女の子の3人組に声をかけてみた。すると、なんと全員1989年生まれ。日経平均株価3万8915円という史上最高値を記録した年だ。バブル景気のハイテンションなムードのなかで生まれた世代というわけだ。

「私たちって、物心ついてからずっと不景気なんですよ。バブルの時代のことはテレビとかでしか知らないけど、キラキラした時代だったんだろうなって憧れがあるんです。そういう時代を“真似っ子”でもいいから擬似体験してみたいのかも」(Aさん・神奈川県)

「男子が女子のためにお金をたくさん使うのがステイタスって、いまはあり得ない価値観。ファンタジーの世界だよね。アッシー君とかメッシー君とか、経験してみたかった(笑)」(Bさん・東京都)

 彼女たちは、「将来に期待するとか、未来がよくなるとか、そうなって欲しいとは思うけど、あまりリアルに想像できない」とも語る。バブルブームの盛り上がりを下支えしているのは、“停滞の時代”に生まれ育った世代の、華やかでイケイケだった“古き良き時代”に対する憧憬の念なのかもしれない。

(文/神田川めぐる)

「ディスコに太眉、セーター首巻き…ゆとり世代「バブルブーム」のなぜ」のページです。デイリーニュースオンラインは、流行語平野ノラゆとり世代バブルカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧