通勤電車の風景にまさかの事実…東急電鉄に聞いたら予想外の答えが

デイリーニュースオンライン

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 これは東急東横線の扉です。ホロ酔い気分が吹っ飛びました。あれ? ドアのくぼみ=取っ手がひとつしかない! 電車を降り、すぐさま駅員にたずねます。

「いま乗ってた電車、ドアの取っ手が片方しかなかったんです! なぜ!?」

 酔っ払いの質問に苦々しい顔をして、駅員さんはこう答えました。

「ちょっと……わかりかねます」

 気になる。なぜなんだ!? 翌日すぐにでも広報あたりに聞けばいいだけなんですが、それだけでは面白くありません。まずはリサーチを敢行しました。

電鉄会社によって違う? 型による違い?

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JR山手線
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東京メトロ銀座線
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JR京浜東北線
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小田急江ノ島線
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都営大江戸線
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東急田園都市線(その1)
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東急田園都市線(その2)

 田園都市線では2タイプを確認。各社が一様というわけではなさそうです。電車に詳しくないのでよくわかりませんが、なんとなく古い型=両方、新しい型=片方、といった感じにも見受けられます。

なぜなんだ!? いろいろ想像してみた

 問い合わせるのはまだ早い! なぜなのか想像してみました。

コストカット

 扉に穴を開け、取っ手をつけるのにはコストがかかります。仮に扉一枚にかかる穴開け加工代が500円だとしたら、500円×8枚=4000円/一両のコストカットになります。年間50両製造したとしたら、20万円です。

 電鉄会社の事業規模からすると、20万円なんてたかが知れています。ですが、このご時世ですから、もしかしたら……。

安全性を確保するため

 私はおぞましいことを想像してしまいました。片手で両方のくぼみをつまむようにして持ちます。その状態でドアが急に開いたら……。親指と人差し指の間がビリビリビリ! ぎゃあああ!

 もしかしたら、そんな事故が過去にあったのかもしれない。そういう事故を防ぐために片方にした??

不用意に開けるのを防ぐため

 ヤンキーあたりが悪ふざけするわけですよ。

「おれ、これ開けられるぜ!」

「まじかよ! やってみろよ!」

 力自慢のヤンキーが、電車走行中に両方の取っ手を使って無理に扉をこじ開け、その様子をTwitterに投稿して、炎上して、退学して……。すみません、暴走しすぎました。

 とにかく、そういう無茶を未然に防ぐため、片方だけにしたとか?

東急電鉄に聞いてみた

 リサーチもした。答えも想定した。準備万端です。両方タイプと片方タイプを確認できた東急電鉄に電話で話を聞いてみました。

 取っ手が片側にしかないって、どういう理由ですか? コストカットでしょ!

「取っ手を片側だけにすることによって、どれほどのコストが削減されるか。そういう試算はしていません。コストカットのため、というわけでは……」(東急電鉄広報担当者。以下同)

 じゃあ、手がブチッーー!ってなるのを防ぐため? ヤンキーが開けるのを防ぐため? そうでしょっ!

「扉は重量があるので、そう簡単には開きません。また、急に一気に開くということも基本的にありません。ですから、安全性を考慮して、というわけでも……。この件にまつわるような事故例も聞いたことがありません」

 私の想像はすべてことごとく外れていました。もうわかりません。降参。なぜなんですか?

「片方が開けば、もう片方も押し開けられますよね。つまり、両方ついている必要はない、片方だけで十分、という判断です。そもそも、この取っ手を使って扉を開くこと自体がかなりまれ。ですから、重要性がそれほどないと言いますか。というように、全体的な設計思想に基づき、そうなってます」

 まさに素人の浅知恵。無駄に妄想を膨らませていた自分が恥ずかしい。ただ単に「片方で十分じゃん?」という、なんともシンプルな回答でした。ガクッ。

 ちなみに、年式(?)による違いはあるのでしょうか。

「いつ頃からこういうタイプが製造されたかというのはちょっとよくわかりません。現行型といっても、細かいところでいろいろ違いますから、すべてがこうなっているかどうかは……。こんなことを聞かれたの初めてですから、要領を得た回答になっているかどうか。すみません」

 以上はあくまでも東急電鉄の回答です。しかし、東急電鉄の答えっぷりから想像するに、おそらくは他社も同様の理由では……。

 とりあえず、謎がひとつ解けてスッキリしました。みなさんが日ごろ乗っている電車はどうですか?

(取材・文/DMMニュース編集部)

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