手術道具はヤミ市で購入…北朝鮮美女の整形ウラ事情

デイリーニュースオンライン

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北朝鮮レストランに通う日韓の男性たち

 本連載の第1回「仁川アジア大会から北朝鮮「美女軍団」が消えた深い意味」のなかで、「韓国男性が北朝鮮美女に萌えている!」と書いたが、実は日本にも北朝鮮美女に萌える男性は少なくない。

 筆者の周りに、北朝鮮マニア(チョソン・クラスタと言われる)が多いせいもあるか、男性陣ばかりが集まると北朝鮮美女(先軍美女とも言う)の話題になることも多い。

 なかには、中国やカンボジアなど海外に存在する北朝鮮レストラン(通称:北レス)に足繁く通い、そこで働く先軍美女ウェイトレスと踊ったり、写真を撮ってサイトにアップする猛者達も存在する。閉鎖された謎の国の美女に逢いたいという願望だけでなく、韓国男性が北朝鮮美女に萌えるのと同じ心理が働いているのだろうか。

 そもそも朝鮮半島には、南男北女(ナムナムプンニョ)という言葉がある。南(韓国)は「美男子」が多く、北(北朝鮮)には「美女」が多いという古くからの言い伝えだ。日本の女子達が韓流男子を追っかけ、韓国と日本の男性陣が先軍美女に萌える様子からするとそれなりの説得力がありそうだが、果たしてそうだろうか。

 日韓の男性陣が先軍美女に萌える理由として、世間ズレしておらず、純朴そうな雰囲気を醸し出す「天然美女」が多いことがあげられるが、実は北朝鮮にも整形手術はある。代表的な整形手術は韓国と同じく「二重まぶた」だ。

整形手術に必要な道具は患者が調達?

 ここ数年、北朝鮮の首都・平壌で一般市民がインタビューに応える映像が流れたりするが、そのなかには明らかに整形手術で二重まぶたにした女性もたくさんいる。また、トップクラスの楽団のメンバーには、二重のみならず鼻を高くする「隆鼻術(インプラント)」らしき女性歌手もちらほら見受けられる。北朝鮮の内部からの情報によると、最近は芸術学校に入る前に整形手術を受ける子ども達もいるという。

 北朝鮮みたいな貧しい国は外科手術の技術も遅れているし、整形手術なんか受ける余裕などあるわけない、と思われそうだが、決してそうではない。医療関係者の待遇がよくない北朝鮮では医者たちが小遣いを稼ぐためアルバイト、つまり「ヤミ」で整形手術を行う。

 ただし手術のみであり、整形手術に必要な道具・材料などは、受ける患者本人が「ヤミ市場」でそれぞれに合った必要な材料を調達しなければならない。もちろん、整形するもしないもカネ次第。整形を受けたということは「富の象徴」でもあるのだ。ただし、そんな涙ぐましい努力をして整形手術をしたにも関わらず、脱北して韓国に来てみれば、既に流行遅れで再度整形手術を受けるか悩む女性もいるという。

 いつの時代、どこの国であれ女性の変化は、社会の変化を示す指標だ。整形の是非はさておき、北朝鮮女性の「美への追求」は、閉鎖された北朝鮮をより良い方向へ変化させると信じている。

著者プロフィール

高 英起

デイリーNK東京支局長

高 英起

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNK」の東京支局長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』(新潮社)など

(Photo by Prince Roy via Flickr)

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