伊藤英明や清原の名も…天皇賞優勝馬オーナーの知られざる人脈
11月2日に行なわれた中央競馬のG1レース・天皇賞(秋)で、単勝5番人気のスピルバーグが大外一気の差し切り勝ちを決めた。馬主である山本英俊氏はこれがG1初勝利。2004年にJRAの馬主資格を習得して11年目、待ちに待った戴冠だった。
山本英俊氏といえば、パチンコ機器メーカー「フィールズ」の会長。競馬ファンならば誰もが知る“名物オーナー”である。日本のダービーには目もくれずにアメリカ競馬に挑戦したカジノドライヴや、レースで収得した賞金の95%を児童養護施設に寄付したタイガーマスクの馬主としても話題になった。
また、国内外のセールで金に糸目をつけずに高額馬を競り落すことでも注目を集めるオーナーだ。投資額の割に実戦ではなかなか結果が出ず、これまでのG1での最高成績はペルーサの秋天2着(2010年)だったが、今回ようやく、JRAきっての有力馬主として格好がついたわけだ。
清原和博から藤原紀香、格闘技界の大物まで
一方で山本氏は、その華麗なスポーツ・芸能人・セレブ人脈が取り沙汰されてきた人物でもある。
フィールズといえば長年、格闘技団体「K-1」の資金面を支えていたことでも知られる。K-1の運営会社「FEG」が主催していた大晦日の格闘技イベント「Dynamite!!」でも冠スポンサーとして社名を前面に押し出しており、リングサイドで大々的にPRされていたフィールズのロゴに見覚えのある人も多いはずだ。
K-1創始者の石井和義氏や、格闘技プロモーターの谷川貞治氏とは昵懇の仲だとされる。さらに、かつて格闘技番組でビジュアルクイーンとして活躍していた藤原紀香や東原亜希も、山本氏のハワイの別荘のパーティーに招かれるなど懇意な関係にある様子だ(水道橋博士ブログ「博士の悪童日記」2007年4月27日付)。この二人はともに、競馬番組にレギュラーで登場していた時期もあった。
山本氏はまた、清原和博のタニマチとしても有名だった。しかし、清原が山本氏のお気に入りの銀座クラブのママに手を出したことで仲違いをしたと『週刊文春』に報じられ(2014年8月14日・21日合併号)、現在は深い親交はないと見られている。
盟友・藤沢調教師とともに九重部屋を“太く支援”
相撲界との関係も深い。山本氏は九重親方(元千代の富士)や佐ノ山親方(元千代大海、現在は九重部屋所属)のタニマチとしても知られ、九重部屋後援会の会長を務めている。あるスポーツ新聞記者は次のように証言する。
「2012年の九重部屋二十周年祝賀会では、500人以上も集まった参加者に向けて山本氏が壇上で挨拶をしました。都内の有名ホテルで行われ、各界の著名人からの花もたくさん届いていましたね。ちなみに今回、秋の天皇賞で勝ったスピルバーグの調教師、藤沢和雄氏も九重親方の太い支援者の一人です」
最近では、お騒がせの伊藤英明の面倒も見ていた
一方、このほど結婚発表と同時に過去の3Pハレンチ乱交写真流出騒動に見舞われた俳優・伊藤英明と山本氏の関係も深い。伊藤は一昨年にJRAの馬主デビューを果たしたが、彼をこの世界に導いたのも山本氏だと言われている。
「競馬場で、二人が一緒に行動している姿を時々見ますね。これまでに伊藤が所有した3頭のうちの1頭、ツヴァイハンダーも、山本氏がアメリカに持っている牧場で生産された馬です。藤沢厩舎に入厩しましたが、これも山本氏の手引きでしょう。結局、中央では1勝も挙げられなかったので、その後は山本氏が引き取って地方競馬に移籍しました」(競馬専門紙記者)
競馬界のみならず、格闘技界、相撲界、芸能界にまで広がる幅広いセレブ人脈。現代の日本で数少ない、本物のパトロンであることは確かだ。
(取材・文/秋山大介 Photo by Cake6)