”嫌韓”で新大久保は閑古鳥…K-POP衰退の意外な理由

デイリーニュースオンライン

コリアンタウンの衰退は”嫌韓”だけが理由じゃない!
コリアンタウンの衰退は”嫌韓”だけが理由じゃない!

 コリアンタウンとして、一時は“オバちゃんの原宿・竹下通り”状態だった新大久保。最近はすっかり寂れ、駅前にあったグッズショップ「韓流百貨店」は5月に倒産し、職安通りの大型店舗で割と古くからあった「大使館」なる老舗韓国料理店も8月に閉店した。最近では、東新宿駅にほど近い大型のスーパーマーケット「韓流百貨店K-PLUS」が閉店になるなど、かつての盛況ぶりがまるでウソのような閉店ラッシュだ。

 世の中の「ホントに韓流ブームなんてあったのか?」「ホラ見ろ、ゴリ押しなだけで、ブームなんてなかったんだ」の声を裏打ちするかのような有様になっているが、ちょっと待った! 確かに、気の迷いというかバブル的な韓流ブームではあった。また、ヘイトスピーチなどの影響も少しはあったかもしれない。しかし、一番の要因としては、この新大久保の韓流ブームを支えたK-POPアイドルが一気に衰退してしまったのが大きいと思うのだ。

俳優情報がメインの『韓流ぴあ』は堅調

 何故なら、かつての「冬ソナ」こと『冬のソナタ』からハマった初期からの韓流ファンは“俳優好き”な人がメインで、とにかくファン歴が長い。それは、ゴシップ誌も含めて一気に増えたK-POP情報誌がどれも軒並み低迷している中、韓国人俳優の情報がメインの『韓流ぴあ』(ぴあ刊)が2006年に季刊創刊されて以来、現在も堅調に発行されていることからも推測される。

 しかし、新大久保に一気に増えたグッズショップは公式・非公式含めK-POPアイドルグループのものがメインだった。アイドルの出演している韓国のバラエティ番組やコンサートの海賊盤DVDショップなどもあれよあれよと言う間に増殖していった。それも東方神起、少女時代、KARA、BIGBANGなど日本でもメジャーなグループだけでなく、超新星、2PM、2AM、MBLAQなどマイナーなものまで揃う。とにかく日本でファンミーティングやショーケース、コンサートを開催するK-POPアイドルのグッズがいち早く並ぶのだ(というか、むしろここにしか並ばないとも言える)。

 そりゃ、熱に浮かれたファンは情報やグッズが欲しくて新大久保に集まる。ウロウロしていれば腹も減る。ついでにごはんも食べる。周辺に沢山ある韓国料理店もまた、K-POPアイドルグループのサインや店員と一緒に撮ったポラロイドがズラリと貼ってあったりして、一種“ファンの聖地”的なものになっている店が多かった(来店した時に食べたから、というだけの理由でグループ名の付いた定食を供している店もあった)。

新曲をリリースしなくなったことが背景

 例えばBIGBANGは、日本デビューした2009年に日本レコード大賞新人賞、翌年には同じく日本レコード大賞の優秀作品賞を受賞した。歌手として華やかな経歴で日本での活動をスタートし、ドームツアーを2年連続で開催しているけれど、実はここ最近、新曲は出していない。

 新曲もないコンサートでは「MCの日本語上手くなってるね」という程度で、ファンに飽きがきてもおかしくない。そうなると、新しく欲しいグッズも特になければ、肝心のグッズ屋も激減している新大久保まで行くほどでもない、ということになる。こうしてますます人は減り、街の雰囲気が荒んできているのではないだろうか。

 アイドルなんて新曲がヒットしてナンボ。常に情報がアップデートできていなきゃ、そりゃあ忘れられていくのは当然。「曲もキャッチーで、ダンスもキレがあっていい!」と、一時は日本のランキングに多数入っていたK-POPアイドルがすっかり姿を消せば、情報も入ってこなくなるし関心も下がる。

 新大久保が下火になるのも、それは当然の結果だとも言えるだろう。

(文/ヨコヤマユー子 Photo by yukishana)

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