箱根駅伝に初出場…創価大学はなぜ急にスポーツ強豪校になれたのか?

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創価大学公式ホームページより
創価大学公式ホームページより

「いや~。本当に嬉しいです。我が母校がどんどん発展していく。後輩に感謝です」

 こう語るのは現在30代のある創価大学OBだ。10月18日、来年1月2日に行われる箱根駅伝の予選会が行なわれた。創価大はなんと10位入賞、箱根駅伝の初出場を決めた。

「今月に入って母校の大学から、私となぜかうちの親宛に大学側から箱根駅伝出場決定のため、1口5000円の寄付を募る手紙が来ました。寄付すると記念品も頂けるとか。もちろん私も親も10口は寄付させて貰います! こんなことメッタにないんでね」

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創価大OBに送られてきた、箱根駅伝チームへの寄付を募る手紙

開学43年でスポーツと資格試験の実績校

 創価大学は1971(昭和46)年の開学以来43年間、スポーツに力を入れてきたという。事実、10月29日には硬式野球部が明治神宮大会への出場も決まっている。スポーツの分野では先の陸上部と野球部をはじめ強豪校と近年ではみなされている。

 そこで気になるのは、活躍する創価大のアスリートたちは学会員かというところだろう。

「スポーツの分野は、スポーツ推薦で入学した学生が活躍しています。プライベートに関することなので、きちんとした調査がされたわけではありませんが、スポーツ推薦で入学した学生のうち、創価学会員は少ないと思います。皆無とはいいませんが」(先述の30代創価大OB)

 創価大が力を入れているのはスポーツだけではない。司法試験や外交官試験、国家公務員、教員採用試験といった分野でも実績を残している。2014年度の大学別司法試験合格者数では全国24位、最終合格者18名と、中央大や早稲田といった司法試験強豪校とも肩を並べている。

「創価大は、東大や早稲田に合格しながら、これを蹴って入学する学生も少なくありません。ですから、司法試験や外交官試験に合格するのはそうしたポテンシャルの高い学生ではないか、という声もありますが、全然、そんなことはありません。私の在学時は、“創価ドリーム”とか“創価マジック”といっていましたがね」(同)

創価学会員でも創価大に入れない時代!?

 創価大学には、学園と呼ばれる創価高校や関西創価高校の姉妹校推薦で入学する者、一般入試や公募推薦、先のスポーツ推薦で入学する者と背景の違う様々な者が入学してくる。司法試験などの難関資格試験に合格する者は、スポーツ推薦枠での入学者を除いて、進学校出身ではない者も数多く含まれているという。

「資格試験合格を目指す学生は、通称、“国研(コッケン:国家試験研究室)”と呼ばれる資格試験受験のサークルに属し4年間、勉強三昧の日々を過ごします。目的を持った学生生活を送るからでしょう。それに八王子の山の中という立地のキャンパスです。勉強しかすることはありません」(同)

 創価大学出身のフリーライター・秋山謙一郎氏は、こうした創価大の現状について、「あくまでも自分が在学した20年位前の話」と前置きしてこう話す。

「よく創価大では宗教教育をしていると言われます。しかし実際入ってみるとわかりますが、それはまったくなかった。その代わり部活とか寮などでは、『何のために生きるのか』『何のために学ぶのか』を先輩が後輩に問う場面が多かったです。なので、言葉は悪いですが、創価大に何年も浪人して苦労して入ってきたような成績の悪かった人でも、弁護士や外交官という目標を決めた人は必死に勉強していました。実際、そうした人も合格していますよ」

 宗教教育はないが、全学生のうち約8割程度が創価学会員といわれる創価大学。最近では、国家試験合格者数の増加や高い就職率から、創価学会員でも合格は難しくなってきたという。

 学会員でさえ創価大に入れない時代になったことに、冒頭で紹介したOBは「母校の発展は嬉しいが、創価学会員の入学者数が減っているという話は、少なからず寂しさを覚える」と話す。

 さて、箱根駅伝で創価大はどこまでチャンスをものにできるのか。

(取材・文/小貫豪)

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