【酉の市】新宿の見世物小屋に〇〇を食べる女が出現

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最後の見世物小屋を見て昭和の残滓を感じてみては?
最後の見世物小屋を見て昭和の残滓を感じてみては?

 ハロウィンとクリスマスに挟まれた11月は、今ひとつ盛り上がるイベントがない時期というイメージがある。しかし西洋イベントがない時は、和のイベントに目を向けよう!!

 ヤマトタケルノミコトを祭神とする神社では11月の酉の日に「酉の市」という祭りが行われ、大いにもりあがるのだ。東京・新宿の花園神社で開催された酉の日に足を運んでみた。

昭和の香りがただよう「見世物小屋」へ

 花園神社は、不夜城歌舞伎町に隣接する神社だ。江戸の内藤新宿以来400年、新宿の鎮守神として親しまれている。普段は、雑踏の新宿の中で、ふと立ち寄って休むことができるオアシスのような存在だが、酉の市の日は違う。

 敷地は迷路のように区切られ、左右にはズラリと様々な屋台が並ぶ。参拝には長蛇の列ができている。神社の奥の方では、名物の縁起熊手が売られていて、業者が購入者に、勢い良く手締をしている。

 場所が歌舞伎町だけあって、参拝者もいかにも水商売風の綺麗なお姉さんや、こわもてのお兄さんも多い。毎年なんと60万人の人が訪れるという。とにかく、やいのやいのと大変な盛り上がりだ。

 開催時間も朝の2時までと長い。肌寒い屋台で飲む、熱々のワンカップは美味く、いつの間にか泥酔して、神社近くのゴールデン街に流れて朝までグダグダと酔っ払う……というのが例年のパターンの人も多い。

 そんな酉の市の名物が、「見世物小屋」だ。かつては全国で興行されていた見世物小屋だが、現在では酉の市の見世物小屋を興行する大寅興行社が最後の一座になっている。

 かつての興行の目玉は、ヘビを食べる老婆だった。意外に低いテンションでムシャムシャとヘビを食べる姿が、妙におかしかった。毎回ヘビを殺していては数が足りないのか、回によってはすでに食べかけのヘビを食べていた。変な所で節約している。毎年楽しみにしていたのだが、動物愛護的なクレームが入ってしまい上演できなくなってしまったそうだ。別に食べてるんだからいいじゃないかと思うが、これもご時世だろうか。

 2013年からは、大寅興行社と、アングラのパフォーマンス集団、劇団ゴキブリコンビナートがタッグを組んで、興行している。ただ新しくなったとはいえ、怪しさは変わっておらず、近寄っただけでぷんぷんと昭和の香りがただよっている。

 外の看板には「やもり女」「七つの乳を持つ女」「逃げ遅れた病気老人」「メコン川流域の首狩り族」と本日のラインナップが書かれている。ギリギリアウトな感じがたまらない。若い男女を中心に、次から次に客が小屋の中に入っている。僕も皆に続いて入ってみた。

 手作り感丸出しの小屋の中、手と顔に袋をされた女性が登場。屋根裏で発見された、やもり女であると紹介される。袋をとった姿は意外にも美人で、おお!! と歓声が上がる。

 ただ次の瞬間、感嘆は悲鳴に変わる。彼女がむしゃむしゃと〇〇〇を食べ始めたからだ!! ギャー!! うわー!! と大騒ぎの場内。ヘビを食べていた以前のイベントよりも、ショックは大きくなっているかも?

 他の出し物も、怪しさ満点で、皆夢中になって舞台を見ている。なんだかおかしな世界に迷い込んでしまったような、錯覚におちいった。

 酉の市は11月の酉の日に開かれるため、複数回開催される。今年は11月21日に再び開かれる予定だ。昭和の残滓。最後の見世物小屋を見るためだけでも酉の市に足を運んでみよう!!

(取材・文/村田らむ)

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