可愛いけど迷惑…車破壊や火事まで引き起こす“猫害”が急増中

デイリーニュースオンライン

枕を占領する猫(写真/江波旬)
枕を占領する猫(写真/江波旬)

 11月12日付けの朝日新聞に「猫と一緒にお住まいのお客様へ」と題した広告が出た。商品の宣伝ではない大手電機メーカー『brother』のお詫び広告だ。2000年から2005年の間に生産された家庭用ファックスで焼損事故が発生しているというのだ。ファックスの上で猫が繰返し排尿することでまれに発火するのだという。

『朝日新聞』2014年11月12日付朝刊より

 そんなこと製造元が詫びる必要など一切ない。上に乗って放尿する猫が悪いのだ。筆者は猫が嫌いである。喉を鳴らせば何でも許されるという態度がまず嫌いだ。膝の上に乗ってきて丸くなられるとこちらの身動きが取れなくなる。で仕方ないから頭をなでてやるとプイと行ってしまったりするからまたイライラする。可愛がろうとしたこちらの気持などお構いなしだ。

 冬はこのような猫害の季節である。皆さんも気をつけていただきたい。

猫のおしっこで発火!相次ぐ猫の被害

 先に紹介したお詫び広告だが、brotherによると発火事件があったのは05年1月~13年2月までの間に4件。消防が調べたところ、印刷紙が排出される穴に猫のおしっこが入って機器がショートしたことが判明したという。

 brotherは疑いのある製品を列挙して、無償点検をするとしている。対象になっているのはどれも電話、コピー、ファックスが一緒になった複合機である。これら製品は24時間、電源がつながっているので若干、暖められているのだろう。こういったものは特に猫害に遭いやすい。

 猫は暖かい場所を探すことに長けている。おかげで冬は猫害が急増するのだ。猫が毛布に潜り込んでいることを知らずにベッドに飛び込んで引っ掻かれる。寒い朝、マフラーの上で丸くなっている猫を見て、その姿に思わず哀れみを感じ猫をどかすことができずにマフラーなしで木枯らしの中に出て行く。しかもその猫のために暖房までつけっぱなしにする。なんと不経済なことか。

 これら猫害は今に始まったことではない。「春はあけぼの……」の書き出しで知られる『枕草子』には一条天皇の愛猫『命婦のおとど』のことが出てくる。

 初冬のある日、縁側で猫が偉そうに丸くなって寝ていた。そこにやってきた女官が「まぁ行儀が悪い、中にお入りなさい」と叱るが、猫は知らん顔。女官は近くにいた扇丸という犬に向かって「猫を食べちゃいなさい」とふざけてけしかける。扇丸はこれを本気にして猫に飛びかかる。猫は驚いて一条天皇のそばに逃げる。びっくりした天皇は「扇丸を打ち叩け」と言い出すのだ。

 結局扇丸は本当に折檻され追いやられてしまうのである。なんと哀れな扇丸……歴史に刻まれた最初の猫害である。

 冬の猫害は、車をも大破させてしまいかねない。警鐘をならすポスターもある。

 停車してしばらく、エンジンは暖かい。猫はそのことを知っているので、車下の隙間からエンジンに潜り込んで寝てしまうのだ。知らずに発進させると駆動ベルトが猫を巻き込み、エンジンが壊れてしまう。

 筆者は猫嫌いだから、エンジンに巻き込まれた猫の死骸を見ても10年か20年もすれば罪の意識から立ち直ることができるだろう。しかし愛猫家は一生を泣き暮らすに違いない。

 繰り返す。冬は猫害の季節である。皆さんもとにかく気をつけて、猫と仲良く暮らしてほしいのである。

(取材・文/江波旬)

「可愛いけど迷惑…車破壊や火事まで引き起こす“猫害”が急増中」のページです。デイリーニュースオンラインは、ペット事故社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧