ミス・ホンジュラスも殺害…サッカー日本代表が対戦したのは超ヤバい国だった!

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マリア・アルバラードさんの誘拐を伝える地元ニュース
マリア・アルバラードさんの誘拐を伝える地元ニュース

 メキシコとコロンビアの中間に位置する人口約750万人(2008年)の小さな国、ホンジュラス共和国。去る11月14日、サッカー日本代表がキリンチャレンジカップで同国代表と対戦しましたが、日本ではあまり馴染みのない国かもしれません。

 ただ、世界的に見ると、ある面で非常に有名な国でもあります。それは”世界でもっとも危険な国”と言われるほど、治安が悪いということです。

 11月20日、なんとミス・ホンジュラスが誘拐されたあげく遺体となって発見されたとのニュースが報じられました。2014年のミス・ワールドでホンジュラス代表に選ばれたマリア・アルバラード(Maria Alvarado)さん(19)と姉の消息が途絶え、現地警察が捜査した結果、1週間後に遺体となって発見されたとのこと。姉妹は知人のパーティに出席し、車で帰る途中に何者かに襲われたといいます。本来なら19日にミス・ワールド世界大会に出場するため、イギリスに向かっているはずでした。

殺人件数率は日本の200倍

 誘拐殺人なんてどの国でも起こり得る? まあ、そうなんですが、ホンジュラスの犯罪はガチでヤバいんです。メキシコのNGO団体が2014年1月に発表した「世界でもっとも危険な都市ワースト50」では、ホンジュラスのサン・ペドロ・スーラの殺人件数率(人口10万人あたりの殺人件数)が187で、世界ワースト1とされています。

参考サイト/Ciudadano para la Seguridad Pública y la Justicia Peanl:Por tercer año consecutivo, San Pedro Sula es la ciudad más violenta del mundo

※資料によって幅あり。外務省は2011年の人口10万人あたりの殺人発生率を85.5としています。

 ちなみに日本の場合、2013年の殺人認知件数は約1000件。日本の人口は約1億2000万人ですから、10万人あたりに換算すると、0.8です。

 もちろん、国と都市の違い、日本の殺人認知に関する特殊な事情などがありますから、単純に両者を比較することはできません。でも、187と0.8ですよ! 日本の200倍以上! こわっ!

 ホンジュラスは麻薬ルートの中継地点です。また、政変や貧困、災害も重なって治安が悪くなったと言われています。そんなホンジュラスはサッカーが盛んな国でもあるので、なんとか治安が回復され、災害から立ち直れるようにと、FIFAはさまざまな支援を行ってきました。

 その一環がこのアディダスジャージ(写真は筆者私物)です。もう10年近く前のモデルだと記憶しています。FIFA公式サプライヤーであるアディダスが、ホンジュラス支援のためにこうした商品を日本でも販売していました(とアディダスショップの方が言っていた記憶が…)。

 先のキリンカップではホンジュラスに6-0で快勝。続くオーストラリア戦でも勝利を掴み、来年のアジアカップに弾みをつけた日本代表。こんな状況を浮かれて楽しめるというのも、日本の治安が世界一いいため。先般の日本vsホンジュラスは、世界一安全な国と世界一危険な国の戦いでもあったということです。

【付録:2014年版世界の危険な都市ワースト10】

都市名(国) 殺人件数率

  1. サン・ペドロ・スーラ(ホンジュラス) 187
  2. カラカス(ヴェネズエラ) 134
  3. アカプルコ(メキシコ) 113
  4. カリ(コロンビア) 83
  5. マセイオ(ブラジル) 80
  6. ディストリトセントラル(ホンジュラス) 79
  7. フォルタレザ(ブラジル) 73
  8. グアテマラシティ(グアテマラ) 68
  9. ジョアンペソア(ブラジル) 67
  10. バルキシメト(ヴェネズエラ) 65

※上記NGOの資料より
※殺人件数率に関しては本文参照

(取材・文/蛭子東)

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