女子高生14人が超常現象で病院に緊急搬送される

デイリーニュースオンライン

集団パニックはなぜ発生するのか
集団パニックはなぜ発生するのか

 日本人観光客にも人気のフィリピン・セブ島で、14人の女子高生が悪魔に取り憑かれ、緊急搬送されるという事件が発生して話題となっている。事件が起きたのは11月21日の午後。セブ市のトゥーン女子校内で、一人の女子生徒が“小さな子供”の幽霊を目撃し、パニックになって倒れ込んだ。すると、ほかの生徒達も“子供”を目撃し、相次いで卒倒する事態に発展したのだ。事を重く見た学校側は、午後3時頃には生徒らを悪魔払いを得意とする地元の聖職者、フレデリック・クリエケンビークのもとに搬送。そこで悪魔祓いの儀式が執り行われると、少女たちはなんとか回復したという。

 事件について、セブ市教区の広報官は次のように語っている。

「悪魔憑きや超常的な力が働いているケースでは、ただちに神父のもとに被害者を送ることが重要です。今回も悪魔祓いの経験豊富なフレデリック氏のもとに少女たちを送ったことは賢明な判断でした」

 さらに広報官はこうした事態を防ぐためには、日頃から親が子供たちの行動を監視し、読んでいる本や見ているビデオに特に注意するよう促している。

「本やビデオの影響がある領域に達すると、子どもたちがそれを真似て妙な儀式などを行う場合があります。我々は親の指導なしに、子どもたちがそうした本や映像に触れることは勧めません」(広報官)

集団パニックは日本でも発生している

 一方、広報官はこうした現象が医学的理由に基づくことであることも示唆し、ストレスや心理的プレッシャーなど医学的見地から子どもたちを診察することも提言している。事件後には現場を訪れたセブ市災害管理局の担当官は事件を悪魔によるものではなく、集団ヒステリーであると推測している。

 フィリピンでは数年に一度、こうした超常現象を原因とする集団パニックが発生している。2007年には太平洋戦争の激戦地であったバギオの女子校で、日本兵の亡霊集団を見たという女子高生らが相次いで卒倒し、大きな騒動となった。フィリピンはアジア唯一のキリスト教国として知られるが、その熱狂的信仰の反動として、今回のような事件が起きているとも推測できる。

 しかしそうした現象は、フィリピンのみならず日本でも発生している。2013年6月、兵庫県立上郡高等学校で1人の“霊感が強い”女子生徒がパニックを起こし、女子生徒18人以上が倒れるという事件を覚えてる人も多いのではないだろうか。こうした現象は、世界的にみても決して珍しいものではない。映画エクソシストを例にあげるまでもなく、欧米においても悪魔憑きの被害者は「少女」が多いことから、思春期の不安定な情動を「超常現象」の科学的原因と見る専門家少なくない。

 まだまだ謎の多いこうした集団パニックは、身近に起きる可能性を秘めているということだけは、事実のようだ。

(取材・文/X51

(Photo by Theen Moy via flickr)

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