米国「エボラ出血熱」、英国「電子タバコ」…海外にもあった流行語大賞

デイリーニュースオンライン

流行語大賞は日本のものだけではない
流行語大賞は日本のものだけではない

 12月1日、毎年恒例の「2014年ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。

 2014年の年間大賞に選ばれたのは、今年7月、安倍政権が行使を容認した「集団的自衛権」と、白塗りメイクの朱美ちゃんとおじさんキャラが強烈なお笑いコンビ、日本エレキテル連合のネタから「ダメよ〜、ダメダメ」に決定した。

 今年はどのワードが大賞に輝くのか気になるところだが、流行語大賞は日本だけでなく、海外でも同様に選出されているのだ。

海外にもあった! 2014年流行語大賞

 流行語を選出している団体は様々だが、海外でも日本の流行語大賞と同様の賞は存在する。

 今回は現時点で発表されている各国の流行語を紹介しよう。

イギリス/「電子タバコ」

 イギリスでは、毎年オックスフォード大学出版の辞典部門が今年の単語を選び、発表している。

 2014年の単語として選ばれたのは、電子タバコを意味する「Vape(ベープ)」。このベープという単語は、2013年ごろから頻繁に使われるようになったとのことで、使用頻度はこの1年間で昨年の2倍以上に跳ね上がったという。

 この単語が最も使用されたのは2014年4月で、ロンドンに初の電子タバコカフェがオープンしたことが理由と見られている。イギリスにも日本と同様、禁煙の波が押し寄せているようだ。

アメリカ/「エボラ出血熱」

 世界で使われている英語の言葉を独自のアルゴリズムで分析しているGlobal Language Monitor社の発表によると、アメリカの2014年の流行語は「エボラ出血熱」。日本でもノミネートされている言葉とあって、その影響力の大きさが伺える。アメリカ国内でも感染者が出るなど、今年後半はエボラ関連のニュースが絶えなかった。

 フレーズ部門では、「Hands up, Don’t shoot(手を上げろ、撃つな)」がトップに。これは、アメリカのミズーリ州で起こった、警官による18歳の黒人少年射殺事件を受けて起こったデモのスローガン。

ドイツ/「セルフィー」「犠牲」他

 ドイツは、毎年「Gesellschaft für deutsche Sprache」(GfdS:ドイツ語協会)が「流行語大賞」「悪い流行語大賞」「若者言葉流行語大賞」の3部門で流行語を調査し、発表している。

 大賞の発表は年末だが、現在はノミネートが発表されており、その中でも「若者言葉流行語大賞」には、「Selfie(自撮り)」という、日本人にも聞き覚えがある言葉がノミネートされている。このワードは2013年、アメリカやイギリスでも大流行し、オックスフォード大学出版の単語にも選ばれていた。

 そのほかには、若者の間で「軟弱者、弱虫」という意味の悪口として使われる「Opfer」や「Immatrikulationshintergrund(大学で遊びほうけて通う意味がない人のこと)」などがノミネートされている。ドイツでも日本同様、大学に入学してからだらけてしまう若者が増えており、それが流行語にも反映された形となった。

中国や韓国にもある流行語大賞

中国/2013年は「中国夢」

 毎年、12月中旬頃に正しい言葉や漢字を紹介する雑誌『咬文嚼字』がその年の流行語を発表している。今年はまだ発表されていないが、2013年の流行語は、習近平国家主席が唱えた政治スローガンの「中国夢」だった。

 これは、読んで字の如く「中国の夢」という意味で、中華民族の復興を目指すことを指すという。18世紀までは最大の軍と富を持った大国であった中国も、時代とともに衰退し、現在ではアメリカや日本に太刀打ちできない。それを覆し、過去の栄光を取り戻すというのが「中国夢」に込められたメッセージなのだ。

韓国/2013年は「千年恨」

 年々、韓国国内で高まる反日感情を表した言葉。特定の企業が発表している言葉ではないが、国内で頻繁に使われた言葉だという。韓国と北朝鮮の連合軍による対馬の“奪還”を描いた小説『千年恨、対馬』が出版され、ベストセラーになったほど。流行のきっかけは、パク・ウネ大統領が過去の日本統治に反発して行われた「三・一独立運動」の記念式典で「加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わらない」と演説したことから広がった。

 2013年は中韓ともに政治色の強いワードが流行したが、今年はどうなるのだろうか。

 各国の流行語大賞を探してみると、世界の流行語は、近年の日本のようにエンタメに寄ったものよりも、社会的なワードが多い印象だった。海外では、流行語が発表されても、テレビで紹介されるような一大イベントではないが、世界を知るうえで、ひとつの指標にはなりそうだ。

(取材・文/DMMニュース編集部 写真/Vive La Palestina)

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